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インタビュー

ヒップホップ最強の連立帝国はいま……

アフターマス:デス・ロウを設立したドクター・ドレーが96年に設立したレーベル。ドレー独自のスロウな制作ペースが災いしてドーン・ロビンソンら初期の契約アーティストが全員離脱してしまったが、99年にエミネムの『The Slim Shady LP』と、ドレー自身のヒップホップ史上最高傑作『2001』(Aftermath/Interscope)が特大ヒットし、完全にマイペースを許される存在に。その後はシェイディ~Gユニットとのジョイント作こそあれ、純正アフターマス作品はトゥルース・ハーツの2002年作『Truthly Speaking』以来ご無沙汰。その間にラキム、アイス・キューブらが〈ドレー・タイム〉に耐えかねて離脱……。

今回のバスタに続くのは、2002年作『Eve-olution』(Ruff Ryders/Interscope)でもドレーと絡んでいたイヴ(実は出戻り)か、あるいは問題児ゲームの新作か、はたまたドレー自身の『Detox』か……頼むよ、オッサン!!

フリップモード:バスタ・ライムズの率いるクルー/レーベルで、99年には軍団でアルバムも発表した。ただ、当時の構成員は、2000年に傑作『Dirty Harriet』(Flipmode/Elektra)を残したラー・ディガ(アウトサイダーズ時代にエミネムと交流アリ)とスプリフ・スターのみ。

チョウンシー・ブラック(元ブラックストリート!)との契約にも驚いたが、バスタがもっとも注力しているのは、DJケイ・スレイの2004年作『The Streetsweeper Vol. 2: The Pain From The Game』(Columbia)で名を売ったパプースだろう。アルバムが楽しみな逸材だ!

Gユニット:50セントが率いるクルー名で、2003年に設立したレーベルの名前でもある。この連立帝国のなかだともっともリリースが盛んで、50の近作『The Massacre : Special Edition』(G Unit/Shady/Aftermath/Interscope)に至るまで、各構成員のソロ作を順調に発表している。

紅一点オリヴィアのアルバム延期(離脱説もアリ)は気になるが、Gユニット移籍に当て込んで勝手に『Salutes The St. Marxmen』(Family First/Koch)を出されたMOPの正式な新作、さらにはロイド・バンクスとヤング・バック各々の2作目もそろそろらしい? 

また、そのバックがストリート・アルバム『Case Dismissed』(IDH)で顔見世したGユニット・サウスの展開も楽しみですな。


インファマス:モブ・ディープのレーベルで、このたびGユニット傘下に入った。現在の構成員は同郷クイーンズの後輩にあたるナイスと、ドレーも関与した『The Jakal』(Empire)を2003年に残しているLAの悪党=40グロック。その40とモブの2人は、コラプトやジェイヨ・フェロニーらと共にライフルメンなるユニットも結成している。なお、かつてのインファマスには舎弟のビッグ・ノイドや3人組のインファマス・モブらが在籍。

ノイドの2005年作『On The Grind』(Monopolee)にもモブ組の参加はあったが……現在の関係は不明だ。

シェイディ:エミネムが2001年に設立したレーベル。エミネム自身と彼も属するD12、そしてオービー・トライスといったデトロイト勢を中心に、NYの50セント、昨年のストリート・アルバム『Street Status』(GMM)が話題だったアトランタのスタット・クオも所属。

そのスタットの正式デビュー・アルバム『Statlanta』は2年も延期中で、2004年の『Cheers』(Shady/Aftermath/Interscope)以降の動きが少なかったオービーの2作目『Second Rounds On Me』がそれに先駆けそうだ。プルーフを失ったD12とエミネムの今後も気になる……。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年06月15日 17:00

更新: 2006年06月15日 19:03

ソース: 『bounce』 276号(2006/5/25)

文/出嶌 孝次

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