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インタビュー

Jessica Simpson

人生の新たな一歩を踏み出した彼女から届いた新作は、ポジティヴなヴァイブに溢れたダンス・ミュージックが目白押し! そう、何があってもジェシカはメゲないんだから!!

人生は楽しまなくちゃ!


 〈結婚〉〈出産〉は商売になるけど、〈離婚〉じゃちょっと……。本来なら1年以上も前にリリースされていたはずのジェシカ・シンプソンの新作だが、当時の夫=ニック・ラシェイとの不仲説の浮上と共に、そのまま立ち消えとなっていた。そしてついに離婚成立。ようやく私生活が落ち着いてきたところで新たにレコーディングした新曲を付け加え、ジェシカがふたたび公の場〈パブリック〉へと出て行くことを決心した。ニュー・アルバムはその名も『A Public Affair』! 〈公の事件〉と〈公の交際〉を掛けた粋なタイトルだ。

「いつも世間の目にさらされて周囲からさまざまな期待をかけられるのって、すごく大変。セレブでいるといろんなことが付いて回るでしょ? メディアをとおして報道されると、やたらと話が大袈裟になってしまうし(笑)。私や女友達の多くは、しょっちゅう追い掛け回されてるわ。でも、世間の目に押し潰されちゃダメ。深刻に考え込みすぎないで、外に出て自分の人生を謳歌することが大切よ。受け入れつつも人生は楽しまなくちゃ!」。

 そう、いつもの天真爛漫なジェシカが帰ってきた。恋の痛手は負っていても、女友達に支えられて、〈さあ、楽しむの!〉とみずからを駆り立てている。無理してる? まあ、ある程度はね。カラ元気? そういう言い方はできなくもないけど。でも、その明るくてポジティヴな姿勢がアルバム全体を包み込む大きな魅力となっている。

「アルバムにはアップテンポなダンス・トラックがたくさん入っているわ。これって私としては初めてのこと。いまの私はそういう気分なのよ。〈アップテンポな曲に合わせて踊り回りたい〉っていう感じ。ファースト・シングルに“A Public Affair”を選んだのも、この曲がアルバム全体を象徴していると思うから」。

 そのシングル“A Public Affair”は、〈初期マドンナmeetsデビー・ギブソン〉といった雰囲気の曲。シャカシャカしたギターとプログラミング・ベースが印象的なトラックだ。他にもアルバムには80年代を彷彿とさせるトラックが満載で、なかでも決定的なのが“You Spin Me Round(Like A Record)”のカヴァーだろう。あのデッド・オア・アライヴのギラギラ・ディスコを、ジェシカはフェザーのような軽いタッチにアレンジ。ついつい大声を張り上げてしまいがちの彼女にとっても、この低音パフォーマンスは新境地と言えるだろう。また、キャメオのようなファンク・ナンバーもあれば、カーズをサンプリング・ネタに用いてみたり、フリートウッド・マックの名曲“Dreams”を下敷きにしたりと、ちょっぴり懐かしくもフィール・グッドなムードが溢れている。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年09月28日 19:00

更新: 2006年09月28日 21:59

ソース: 『bounce』 280号(2006/9/25)

文/村上 ひさし