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インタビュー

NANA starring MIKA NAKASHIMA(2)

映画のメンバーでツアーとかできたら……

 「今回はだいぶ気持ちに余裕がありましたね。いつもならスタジオに人がたくさんいるようだと歌えなかったりするんですけど、今回は雰囲気も楽しかったんです。歌入れの時に来てくださったTAKUROさんも〈自由に好きなように歌って〉っておっしゃってくれて。ただ、やっぱり迷ったりした時はTAKUROさんに訊ねたりしましたね。あと、リズムで言うと“BLOWING OUT”が難しかったです。私、もともと速い曲って苦手なんで(笑)」。

  レコーディング現場には、音楽好きとして知られる矢沢あいも訪問し、「“一色”の歌入れの時に、譜割りの点で細かくアドヴァイスをしてくださった」そうで、ミュージシャンとしての裾野を広げるような新鮮で刺激的な挑戦を多く体験したという。来年以降、〈中島美嘉〉に戻った時、「NANA」を通じた一連の体験が、活動の大きな伏線になるかもしれない。

「ただ、アラン・トゥーサンといっしょに“ALL HANDS TOGETHER”をやったこともあって、いまはルーツ・ミュージックにも興味があるんです。私と同世代の人に、そういう音楽の良さを伝えていきたいとも思いますね。とはいうものの、私は普段実はあまり音楽を聴かないんです(笑)。フジコ・ヘミングさんとか、クラシックは好きで聴いたりしますし、車の中でもかけたりするんですけどね。それでも今回、〈バンドっていいもんだなあ〉とちょっと思いました。私はいままでバンドを組んだこともないですし、そもそも〈他人と何かをいっしょにやる〉ってこと自体が苦手だったんですけど、〈もしかして、できるかも〉とは思えるようにはなりましたね。だからと言ってバンドをやる予定はないですけど(笑)、少なくともこの映画のメンバーでツアーとかできたらいいなあ、とは思います」。

 去る10月25日、東京・新宿アルタ前にて、ナナ率いるBLACK STONESの劇中用ゲリラ・ライヴが実際に敢行された。現在も連載中の原作で、ハチがナナとの再会を願っているように、ある日ふと、ライヴハウスでナナのライヴを観られる時が来ることを……ありえないとは思いつつも、願わずにはいられない。
▼本文中に登場するアーティストの作品を紹介。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2006年12月14日 20:00

更新: 2006年12月15日 14:31

ソース: 『bounce』 282号(2006/11/25)

文/岡村 詩野