「NANA2」を予習するために誌上先行プレヴュー!
昨年9月に公開されて大きな話題を呼んだ映画版「NANA」。現在も連載中の原作から、大崎ナナと小松奈々(ハチ)の偶然の出会いから始まる同居生活を中心に描かれた同作ですが、その続編であり、映画版としては完結編となる「NANA2」では、ナナとハチが各々の環境の変化によって揺れ動き、すれ違っていく気持ちがストーリーの核となります。ブラストことBLACK STONESによる新宿アルタ前でのゲリラ・ライヴや、前作に続いてナナ役の中島美嘉とレイラ役の伊藤由奈が、各々の役に扮して新曲を発表するなど音楽的な話題も豊富ですが、ハチ役の市川由衣や、レン役の姜暢雄といった旬の若手俳優の起用も本作の大きなトピックのひとつ。バンド・メンバー役の俳優陣によるライヴ・シーンも堂に入っています。ビジネス上の戦略に翻弄されつつも、着実に人気バンドとしてのステップを上っていくブラストとナナ。そして、レンが在籍するバンド=TRAPNESTのリーダー、タクミとの関係に翻弄されるハチ。互いの思いをぶつけ合うこともできずに少しずつほころびが生じてくるふたりの関係は、幸せだった同居生活さえも変貌させていく……そんなナナとハチの感情の機微を丁寧に表現する中島と市川の演技も印象的です。本稿執筆時点では謎のヴェールに包まれていますが、クライマックスとなる〈花火大会〉のシーンでは、原作にはない映画版オリジナルのエンディングが用意されているとのこと。ぜひ映画館でチェックしてみて!
2006年/日本 監督・脚本/大谷健太郎 出演/中島美嘉、市川由衣他 12月9日より東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズ他、全国東宝系にて公開(配給/東宝)