フランク・マッコムの着実なステップを再確認!
ソロ・デビュー以前の90年代初頭から、セッション・シンガー/キーボーディストとしてフランクは着実に名を上げていた存在である。本文にあるような出自を活かして、フィリーではジャジー・ジェフ&フレッシュ・プリンスやテディ・ペンダーグラス、ケニー・ラティモアらの作品にその名を留めているし、モー・ジャズ絡みではJ・スペンサーとの仕事も残されている。一方、ソロ・デビュー後はIG・カルチャーのプロジェクト=ニュー・セクター・ムーヴメンツの“The Sun”におけるパフォーマンスによって、ヨーロッパでの人気を確かなものにした。また、モー・ジャズ主宰者だったスティーヴ・マッキーヴァーが運営するヒドゥン・ビーチで、名物企画の〈Unwrapped〉に参画したことも記憶に新しいだろう。
ニュー・セクター・ムーヴメンツの2001年作『Downlord This』(Virgin)
BUCKSHOT LEFONKE 『Buckshot LeFonke』 Columbia(1994)
ブランフォード・マルサリスのジャズ+ヒップホップ融合ユニットで、DJプレミアの助力も話題となった。ここで脚光を浴びたフランクは96年の次作にも継続参加。
FRANK McCOMB 『Love Stories』 Columbia(2000)
マルサリスやリチャード・ボナら腕利きの後ろ盾を得た初ソロ作。ダニー・ハサウェイやスティーヴィー・ワンダーの影響が優しく降り注いだ、心温まる肌触りの佳作だ。
FRANK McCOMB 『The Truth Volume One』 Expansion(2002)
スティーヴ・ハーヴェイの仕切りでヴィンテージな70年代マナーを全開にし、表情豊かにドス黒さを表現したソウルフルな名作! 演奏陣にはビリー・プレストンも。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2006年12月21日 17:00
更新: 2006年12月21日 23:29
ソース: 『bounce』 282号(2006/11/25)
文/轟 ひろみ