ソウル・リスナーもチェックすべき〈ジャズ〉アルバムあれこれ
今年の〈東京JAZZ〉にてマーカス・ミラーとの共演を果たしたフランクは、70年代のアーティストたちがそうだったようにジャズとソウル~R&Bの区分を軽やかに越境する存在だが、ジャズ・サイドからのそうしたスムース・アプローチも決して少なくはない。フランクがインタヴューで挙げたジョージ・デュークもフュージョン~ファンク~ブラコン期を経て70年代ソウル的な手腕を折に触れて繰り出してくるし、同じくジョージ・ベンソンもブリージン・マナーを復古させたアル・ジャロウとのタッグ作をリリースしたばかりだ。また、ポスト・ベンソンの筆頭的なギタリストのノーマン・ブラウンは、フランクにも通じるジェイムズ・ポイザー&ヴィクター・デュプレーらとの歌路線に完全にシフトした感すらある。管楽器勢でも、全米R&Bチャートで8位まで上昇(快挙!)したボニー・ジェイムスの『Shine』(ドゥウェレがドラマティックスを歌ったり)のように、現行R&Bでは満たされないソウル愛好家の欲求に応えたスムース盤もある。R&Bファンはジャズ・コーナーもチェックすべきですね。
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カテゴリ : インタビューファイル
掲載: 2006年12月21日 17:00
更新: 2006年12月21日 23:29
ソース: 『bounce』 282号(2006/11/25)
文/出嶌 孝次