インタビュー

オレスカバンド(2)

1人でも多くの人に知ってほしい

 聴く人誰もを楽しくて明るい気分にさせて、親しみやすい雰囲気を持ってて、メンバーそれぞれがキャラ立ちしてて、ちょっと憂いのある歌詞と抜群にポップなメロディーとサウンドが武器で、揃いの服を着てて、ライヴ・バンドとしての圧倒的な実力も兼ね備えてて……ポップ・アイコン的な意味合いで、〈オレスカバンドってビートルズみたいだなあ〉なんてデビューの頃から思ってたんだけど、彼女たち主演による映画が製作されることが決定した……それもハリウッドで。ディズニー・チャンネルで放映されるやいなや世界中で大反響を巻き起こしている「ハイスクール・ミュージカル」(P106をチェック!)の大物プロデューサーであるバリー・ローゼンブッシュが、〈「ビートルズがやって来る ヤァ! ヤァ! ヤァ!」のようにしたい〉とオレスカバンドに惚れ込んで熱烈なオファーをしてきたらしいのだ。

「バリーさんは、最初なぜウチらのことを気に入ってくれたかよくわからなかったんですけど、だんだん〈単純にウチらのことを好きなおじさん〉って見えてきたんです(笑)。ホンマにウチらを〈1人でも多くの人に知ってほしい!〉みたいな感じで。その意識がウチらといっしょというか、ウチらも自分たちのことを1人でも多くの人に知ってほしいと思うし、だから映画にも出ようと思って。バリーさんも〈映画をとおしていろんな人に夢を与えたい〉って言ってたんですよ。だから、〈ウチらはこの人とモノを作れる〉って思ったんです」(いかす)。

 全世界公開予定の音楽映画の主演だけでなく、世界最大のパンク祭典〈ワープト・ツアー〉への参戦も決定したようだ。

「行ってみなわからへんな(笑)。でも、なるべくなら日本とアメリカで差をつけたくはないんです。アメリカに行くからって全部英語詞に変えていくんじゃなくて、日本でやっていることをそのまま広げればいいやって思ってるから、日本でしているのと変わらないライヴをしたいと思ってます」(たえさん)。

〈堺から世界へ!〉と冗談半分で付けたキャッチコピーでデビューしたオレスカバンドは、ひょっとしたら世界を舞台にこれまで誰もやったことのない、とてつもなくデカいことを成し遂げてしまうかもしれない。それだけのパワーと才能を彼女たちが持っていることは、この『WAO!!』を聴けばきっと誰でも感じ取ることができるだろう。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年06月07日 21:00

ソース: 『bounce』 287号(2007/5/25)

文/ダイサク・ジョビン

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