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インタビュー

Studio Apartment

世界中のフロアを虜にした国産ハウスの最高峰が堂々の帰還! 巷の〈オシャレ系〉とは一線を画すディープなグルーヴに、胸キュンどころかハートを撃ち抜かれるぞ!!


 数々の著名アーティストをゲストに迎えながら、そんなビッグネームの存在感に負けない、どっしりとしたサウンドで国内外に衝撃を走らせた前作『PEOPLE TO PEOPLE』から約2年、STUDIO APARTMENTがふたたび私たちの前に帰ってきた。東京での隔月レギュラー・イヴェントに加え、日本各地はもちろん、NYやマイアミといった海外でのDJプレイ、果てはJ-Popアーティストのプロデュース~リミックスなど、多忙な2年間を過ごしてきた彼らがこのたびリリースした新作『FOR HER FOR HIM FOR YOU』は、前作よりもさらに成熟した〈大人〉なアルバムに仕上がっている。

「前作よりもさらにヴァラエティーに富んだ、幅広い内容にしようと心掛けましたね。(リスナーが)何かしらの曲を気に入ってくれて、それをきっかけにアルバム全体を聴いてもらえると嬉しいですしね。音に対するこだわりはいつも以上にあった気がします」(森田昌典)。

 いつにも増して伸びやかなモニーク・ビンガムのヴォーカルと、哀愁のピアノ・メロディーが印象的な“Found Him”で始まる今作には、アフロでパーカッシヴなハウス・トラック“Siarre”、旬なテック・ハウスの要素を採り入れた“Hope”などが並び、先述のモニークやキマラ・ラヴレース、ブレイズら実力派アーティストとのコラボレーション楽曲を収録。森田の言葉どおり、これまでの作品よりもさらに幅広いサウンドが網羅されている。

「なかなかデータが送ってもらえなくて作業に困ったアーティストもいましたね。基本はレコーディングに立ち会うようにしてるんですが、立ち会えない場合は、データを送って、返ってきて、またこちらでそれを送り返して……って感じでやるんですけど。時間がかかったというか、待たされたこともありました」(阿部登)。

  楽曲の遠隔操作で、もどかしい部分もあったという海外アーティストとのレコーディング。しかし、そんな苦労の末に生まれた楽曲を耳にすれば、参加したヴォーカリストたちの歌声から、STUDIO APARTMENTのサウンドに対するリスペクトと愛情を、これまで以上に感じ取ることができるはずだ。

 メジャーとアンダーグラウンドが点在する日本の音楽シーンの中間を、新しい道を切り拓かんばかりの勢いで走り続けるSTUDIO APARTMENT。それでもなお、あくまでも世界にこだわり続ける彼らの目線は、いまどこに向いているのだろう? アーティストとして、または昨年発足したApt.のプロデューサーとして、彼らのめざすネクスト・レヴェルとは?

「日本のシーンは……独特ですからね。海外のようなクラブ・シーンに成長していけば良いんですけど、文化の違いとか、言葉の違いとか、そういったものも大きいと思うので。この『FOR HER FOR HIM FOR YOU』をリリースした後は、他のアーティストのプロデュースおよびリミックス制作が待ち受けています。その他、海外のレーベルからのリリースもあって、新曲を作らないといけなかったりもして。来年は以前よりもさらに海外に向けての活動が多くなると思いますよ。Apt.に関しては、海外に視線を向けながら、日本のアーティストを世界に紹介したり、逆に海外のアーティストを日本に紹介できればいいなと思ってますね。今後もたくさんのデモテープに期待してます!」(森田)。
8月と9月には、いままでに共演したアーティストを招聘しての大規模なリリース・パーティーが2度に渡って行われるという。

「8月のageHaでのリリース・パーティーには、いま決まっているだけでジョイ・カードウェル、モニーク・ビンガム、ステファニー・クックが登場します。9月の東京・SPACE LAB YELLOWでのリリース・パーティーにはブレイズが登場します。他にも全国35か所をツアーで回るので、皆さんぜひ遊びにいらしてください。よろしくお願いします!」(森田)。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年07月12日 16:00

更新: 2007年07月12日 17:38

ソース: 『bounce』 288号(2007/6/25)

文/田島 慧

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