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インタビュー

必殺仕事人、ジョナサン“JR”ロッテムのキャリアをおさらい! その1

〈ブリトニーの新恋人?〉と芸能ニュースを賑わせたことはさておき……ジョナサン“JR”ロッテムは、いま最注目すべきアーバン系プロデューサーのひとりだ。南アフリカ生まれのLA育ち、バークレー音楽院出の32歳。子供の頃からピアニストをめざしていた彼をヒップホップに誘ったのは、ティーンの頃に聴いたドクター・ドレー『The Chronic』だったという。別掲のデスチャ曲やリル・フリップ“I Shoulda Listened(Remix)”などでの下積みを経て売れっ子となっていくのは、そのドレーのお墨付きを得てD12やイグジビット、ファボラス、Gユニット周辺諸作に参加しまくった2004年頃から。ベルーガ・ハイツを設立してリアーナの“SOS”を全米No.1に送り込んだ昨年からは歌モノ仕事も増えている(その“SOS”などを共作したエヴァン“キッド”ボガートもベルーガ・ハイツのキーマン)。この後にはカミリオネアやマイア、件のブリトニー、ディズニー系のチーター・ガールズらの新作にて腕を振るっているはずで、来るドレーの『Detox』用にもビートを提出済みらしい! 作風的には同じピアノマンのスコット・ストーチに近いが、楽曲を世に出すたびに万能感を見せつけている様子もあって、まだまだ底は見えない。全盛期はこれからかも?(出嶌孝次)

DESTINY'S CHILD 『Survivor』 Columbia(2001)
トニ・トニ・トニのドゥエイン・ウィギンズの目に留まり、成功への大きな一歩をデスチャ仕事で掴んだJR。ソウルフルなナンバー“Fancy”でビートが初採用された。
(池田)

TARIB KWELI 『The Beautiful Struggle』 Rawkus /Universal(2004)
この後も何度か組むハイ・テックと“Work It Out”を共同制作し、表題曲にも鍵盤で助力。クウェリ信奉者に評判の悪そうなミニマル路線はモロにJR仕込みか。
(出嶌)

SNOOP DOGG 『R&G:Rhythm & Gangsta』 Doggystyle/StarTrak/Geffen(2004)
ネプとの先鋭路線が目立つ作品ではあるが、JRはドレーばりにヒプノティックな鍵盤使いの“Bang Out”で冒頭を緊迫感たっぷりに演出!
(出嶌)

LIL KIM 『The Naked Truth』 Queen Bee/Atlantic(2005)
音楽院時代のJRが触発された、ドクター・ドレーのビートを想わせるスリリングな一撃“Whoa”と、物悲しいピアノの旋律が耳を奪う“Last Day”をプロデュース。
(池田)

50 CENT 『The Massacre』 G Unit/Shady/After-math/Interscope(2005)
ピアノのループが印象的な“Position Of Power”と、オリヴィア嬢との絡みが絶品な“So Amazing”でセクシーなビートを提供。メロウな曲もイケてます。
(池田)

RIHANNA 『A Girl Like Me』 SRP/Def Jam(2006)
ソフト・セル“Tainted Lo-ve”使いのニューウェイヴィーなシンセ・ポップ曲“SOS”で、ついに全米チャートを制覇。一躍JRの名を世間に知らしめた特大チューンだ。
(池田)

AK'SENT 『International』 Capitol(2006)
キュートでメロウな“All I Need”をライティング&プロデュース。硬派なヒップホップから、こういったキラキラ乙女ビートまでこなしてしまう多彩さに、底知れぬセンスが窺える!
(池田)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年09月06日 19:00

更新: 2007年09月07日 01:22

ソース: 『bounce』 290号(2007/8/25)

文/池田 貴洋、出嶌 孝次