インタビュー

2007年のUKロック・シーンを震撼させる爆裂ガレージ野郎どもが大集合! ピートに続くヤツはいったい誰だ!?

〈ニュー・レイヴ〉という名のお祭り騒ぎなムーヴメントはとりあえず一段落したようだが、しかしながらUKロックは相変わらず元気いっぱい! というのも、リバティーンズから脈々と受け継がれている新世代ガレージ・ロック・バンドの台頭が、ここへきてますます活発化しているからだ。昨年登場したフラテリスのブレイクはその予兆とも取れるが、果たして2007年はどんなバンドに注目が集まっているのだろうか? ここでは活きの良い新星ガレージ野郎だけをまとめて紹介しよう!


CAPTAIN PHOENIX
レイザーライトのドラマーで、作曲も手掛けるアンディ・バロウズの実弟ベン君が率いる4人組。今年2月リリースされたEP『Tell Me What Went Wrong/Nilihistic Youth』ですでに話題をさらっていたが、このファースト・アルバム『Life. Temper. Riot.』(Kind Canyon/VINYL JUNKIE)をもって完全に2007年度ブライテスト・ホープの大本命に名乗りを挙げた。アークティック・モンキーズなどと同じく、リバティーンズ以降の純英国的なギター・ロックを掻き鳴らしている彼ら。その突き抜けたメロディーラインは、〈偉大な兄を持つ弟のバンド〉というイメージを吹き飛ばしてお釣りがくるくらいのパワーと情熱を宿している!

THE VIEW
ラフ・トレードの元A&Rにして、1965のレーベル・オーナーであるジェイムズ・エンデコットに見い出されたダンディ出身の4人組。オアシス仕事で知られるオーウェン・モーリスをプロデューサーに迎えた初のアルバム『Hats Off To The Buskers』(1965)は、荒々しい青春ガレージ・ロックが衝動の赴くままに鳴らされた傑作で、ピート・ドハーティも太鼓判を押す逸品だ。

RIPCHORD
ジャック・アフロやヴューに続く存在として1965が送り出す刺客は、なんと全員10代の小僧ども。パンキッシュなロックンロールを満載したセカンドEP『Backstabber』(1965)にピートも大興奮し、彼らをツアー・サポートにご指名したのだとか。アルバムをリリースする頃には大変なことになってそう!

THE HEIGHTS
シンセサイザー全開の〈踊れるロック〉が蔓延していた時期に、目の覚めるようなロックンロール・アルバム『Toys And Kings』(Best Before)を投下したウェールズ出身の4人組。ストロークスのモダンな感覚とリバティーンズばりの荒々しさ、そしてムキ出しの反骨精神に痺れるぜ。


THE VOOM BLOOMS
これまでに発表された7インチ・シングルはどれも即ソールド・アウト。リバティーンズ・チルドレンの最右翼とされるこの4人組が、ジョン・フォーティス(レイザーライト他)をプロデューサーに迎えて初のアルバム『Nine Ships』(The Voom Blooms)を完成させた。その音はガレージーでヘロヘロでスリリング! スルーできない存在でしょ!


YETI
リバティーンズの元ベーシストであるジョン・ハッサールが、同じく元リバ組で現在はダーティ・プリティ・シングスを率いているカール・バラーの友人らと始動したプロジェクト。モシ・モシからシングル・リリースを重ね(いまや入手困難!)、オアシスとのツアーを経験するなど日増しに注目度が高まっているなか、ついにファースト・アルバム『Yume』(Cargo/Moshi Moshi)をリリースした。アコースティックでメロウなギター・ポップ曲からお得意のサイケ・ワールドを大展開したナンバーまで、表題どおり〈夢〉を見ているような気にさせられる心地良い作品だ。

THE PIGEON DETECTIVES
いまやロックの名産地となったリーズ出身の5人組によるファースト・アルバム『Wait For Me』(Dance To The Radio)は、純度100%のロックンロール作品に! 〈ピート・ドハーティの舎弟的な存在〉と本人たちが豪語しているだけに、親分譲りの素晴らしいメロディーセンスを開陳している。

THE ENEMY
UKのアルバム・チャート1位を獲得した『We'll Live And Die In These Towns』(Stiff/Warner UK)で〈何も起こらない日常〉への怒りを高らかに歌い上げた彼らは、一躍ワーキング・クラスのヒーローとなった。クラッシュやリバティーンズから引き継がれたリアルな衝動が、老舗パンク・レーベルの重い腰さえも上げさせたのだから凄いね。


EIGHT LEGS
リバティーンズ好きで有名なディオール・オムのデザイナー、エディ・スリマンがファション・ショウのハイライトでエイト・レッグスの楽曲を使用したのは知られた話。そんな彼らが放った待望のデビュー作『Searching For The Simple Life』(Weekender/Kurofune)は、レイザーライトを彷彿とさせるポップなガレージ・アンセムの連発デス!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2007年10月18日 22:00

ソース: 『bounce』 291号(2007/9/25)

文/白神 篤史

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