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インタビュー

ソロ・アーティストとしてのジョン・フルシアンテに刺激を与えた面々を、ヴォーカルとサウンドの両面から探ってみよう!

●ヴォーカル編
  音楽に込められたメッセージを直に感じることができるのは、リリックと歌だ。RHCPでは原則的に歌わないジョンも、ソロではヴォーカルを取る。ここでは歌い手としてのジョンを刺激した面々を紹介していこう。まずは、メッセージ性において多大な影響を与えたフガジのイアン・マッケイ。ジョンがフガジの音楽に感銘を受けたのは、その音の裏側にあるアティテュードだとか。DIY精神やイアンが提唱したストレート・エッジ思想(タバコ/ドラッグをしない、酒を飲まない、快楽目的のセックスをしない)は、ジョンの詞世界にもしっかりと刻まれている。また、通じ合える仲間としてヴィンセント・ギャロも忘れちゃいけない。上手くはないけどセクシーで味のあるギャロの歌声と内省的な歌詞に、ジョンも多いに感化されたのではないだろうか? さらに新作でカヴァーを披露しているティム・バックリーも、ここに並べるべき人物。サイケな歌世界はもちろん、みずからの声を管楽器として使うティム独自の音楽的探究心にも大いに感化されていることは言うまでもない。最後に、ロックの裏街道をひた走るキャプテン・ビーフハートも、そのブルース・フィーリング溢れる魂のこもったヴォーカルで、歌い手・ジョンを洗脳した一人であることを追記しておこう。

●サウンド編
  ローリング・ストーン誌で〈現代を代表する3大ギタリスト〉として賞賛されたジョンは、常に練習を重ねてきた秀才型のプレイヤーだ。1日15時間のギターいじりが実を結び、8歳にしてジミ・ヘンドリックスを完コピ! RHCPではそんな日々の努力によって体得した技巧的プレイを聴かせてくれるが、一方のソロではより直感的なアプローチを特徴としている。ということで、ここでは後者への影響源を紐解いてみよう。まずは、幾度となく共演を重ねているオマー・ロドリゲス・ロペス(マーズ・ヴォルタ)。エフェクターを駆使したサウンド処理へのこだわりは、オマー譲り以外の何物でもない。で、それを突き詰めすぎたか、近年のジョンはあまりロックを聴かないらしく(フェイヴァリットにエイフェックス・ツインを挙げていたりも!)、新作ではギターやキーボードの音を丹念に加工してエレクトロニック・ミュージックのような耳触りを残しているのだから興味深い。ちなみに、ジョンは〈人生のなかで誰もが体感したサイケデリックなフィーリングを再現すること〉をソロでの一貫したテーマに掲げていて、そういった観点からブロンド・レッドヘッドにかなりシンパシーを感じているとのことだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2009年01月15日 20:00

ソース: 『bounce』 306号(2008/12/25)

文/小泉 いな子

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