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インタビュー

  『雪と花の子守唄』の兄弟作にあたるのが、ビートルズのララバイ・カヴァー集〈りんごの子守唄〉だ。『雪と花の~』同様、鈴木惣一朗がプロデュースを手がけ、100%Orangeの愛らしいアートワークに包まれたこのシリーズは、2005年より毎年1枚づつアルバムがリリースされ、3作品に渡る人気作となった。

第1弾『Apple of her eye りんごの子守唄〈赤盤〉』は、女性ヴォーカルにフォーカスした作品。チェレスタの可憐な音色に彩られた畠山美由紀“Here Come The Sun”で幕を開け、ボサノヴァ・タッチのボファーナ“Ask Me Why”や、湯川潮音の清新な歌声が印象深い“Because”などを経て、アン・サリー“Goodnight”でしっとりと幕を閉じる。一転して、2作目となる『Apple of his eye りんごの子守唄〈青盤〉』では、男性シンガーのみを起用。冒頭のハナレグミの独唱に耳を奪われる“Blackbird”、ジャズの香り立ち込める青柳拓次“Norwegian Wood”、カントリー・フレイヴァーが楽しい蔡忠浩“Two Of Us”など、多彩なサウンドが並ぶ。最後は前作同様“Goodnight”だが、細野晴臣の柔らかい低音ヴォーカルが心地よいまどろみへと誘ってくれる。ラストを飾る『Apple of our eye りんごの子守唄〈白盤〉』では、ビートルズのメンバー4人によるソロ楽曲をピックアップ。また、過去2作の参加シンガーに新たな面々も加えたラインナップを揃え、全曲を男女デュエットで構成。YO-KINGと土岐麻子、中納良恵と星野源……なんて組み合わせの妙だけでもワクワクさせられる1枚だ。なお、2008年にはシリーズ3作をまとめた『りんごの子守唄BOX ~hello goodbye~』も登場。『Abbey Road』のB面曲を、オールドタイミーなインストにアレンジしたボーナス・ディスクが封入された、充実のボックス・セットとなっている。

たおやかなララバイでありながら、アダルト・オリエンテッドなエレガンスも詰まった〈りんごの子守唄〉シリーズ。サウンド的にもジャケ的にも、ぜひ『雪と花の子守唄』と一緒にご堪能あれ。*澤田

▼子守唄コンピレーション・シリーズの作品

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2009年03月12日 18:00

更新: 2009年03月12日 23:00

文/澤田 大輔