吉井和哉
どれだけ自信を失くしても、彼を支えたのは自分自身の音楽。そしてやっと見つけた〈吉井和哉の音〉が鳴り響く時、ヴォルテージは最高潮に達する!
何と人間臭い男なのだろう。華やかで艶かしくてエロティック、というこれまで感じていたイメージとは少し違う、大らかで正直で温かな雰囲気。初めて会った吉井和哉という男は、こちらにそんなヒューマンな横顔を見せてくれた。そして、音楽に関する日常生活のこんなことから話しはじめた。
「最近、ジャズ・ギターが弾けるようになりたいと思っていて。ついこないだアメリカで59年製の335(ギブソンES-335)を買ったんですけど、これでギンギンのロックはできないだろうって(笑)。ま、いまのツアー・メンバーのジュリアン・コリエルのお父さんがラリー・コリエルだっていうのもあるんですけど、たぶん『VOLT』が出来て、次の冒険がしたくなってきたんでしょうね。アメリカに何回か行くうちに、俺がこれまで解釈してきたギターの音と(感覚が)違うなって思っていたのもあるんです。単純にギターが好きなんですよ。いま思い出すと、ギターとの出会いや発見によって曲が生まれたりしましたね」。
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