インタビュー

HEY MONDAY

ヘイ、ユー! 月曜の朝から元気に過ごせちゃうハイテンションなエモはいかが?


  今年2月に行われたフォール・アウト・ボーイ(FOB)の来日公演で前座に起用され、新人バンドとは思えない堂々としたパフォーマンスで満杯のオーディエンスを熱狂させたフロリダ出身の5人組。それがここで紹介するヘイ・マンデーだ。

「日本デビュー前にも関わらず、あの時のショウは大盛り上がりで最高だったわ!」。

 そう語るのは、紅一点ヴォーカリストのキャサディ・ポープ(発言:以下同)。アーバン・アウトフィッターズやアメリカン・アパレルといったカジュアル・ブランドが大好きで、パウダー・パフ(女の子版フットボール)をするのが趣味という、アクティヴな19歳だ。

「音楽を始めたきっかけは、私のお姉さんがヴォイス・トレーニングに通っていたんだけど、ある日どうしても行けない事情ができちゃって、もったいないから代わりに私が足を運んだの。そうしたらすっごく楽しくってね! 結局、通い続けちゃった(笑)」。 

 その後、高校でギターのアレックス・リップショウと、卒業後にマイク・ジェンティル(ギター)、ジャージー・モリアーティ(ベース)、エリオット・ジェイムズ(ドラムス)と出会って結成に至る。キャサディのキュートでパワフルな歌声とエネルギッシュなバンド・サウンドで、たちまち話題が波及。FOBのピート・ウェンツの耳にも届き、彼が主宰するディケイダンスとコロムビアとの提携でファースト・アルバム『Hold On Time』を完成させたのだった。

 ジム・クラス・ヒーローズやメトロ・ステーションなどを手掛けるサム&スラッゴがプロデュースを担当した本作。ポップコーンのように弾け飛ぶキャッチーなパンク/エモが満載で、聴いているだけで月曜日の朝の憂鬱な気分すら蹴散らしてくれるのである。

「ありがとう! 私たちはみんながハッピーになれるような音作りをめざしているのよ」。

 そんなサウンドに乗るキャサディのヴォーカルも、彼女の日常を反映させたかのような明るくカラッとした雰囲気を放つもので痛快だ。

「でもね、歌っている内容自体はそんなにポジティヴでもないのよ。どちらかというと、現実をクールに見つめたものが多いかも。ただ、リアルな歌詞を書けたことで心のなかに潜む闇がわかって、いまの自分の内面をすべて吐き出すことができたみたい。そしたら何だかスッキリしちゃった! そういう心境が声に出てるから、明るく響いているんじゃないのかな?」。

 このアルバムがリスナーにとって「自分の心と真正面から向き合うきっかけを与えられたら」とも語るキャサディ。

「無理して自分にウソなんてつかなくていいの。これが正しいと思って行動し続けたら夢は必ず叶うし、サポートしてくれる人にも出会えるはずだから」。

 いまでは〈ネクスト・アヴリル~パラモア〉との呼び声も高い彼女だが、本作を完成させたことで自身もミュージシャンとしての夢をさらに膨らませた様子だ。

「例えこの世を去ったとしても、人々の心に残っていく素敵な音楽を作りたい。また、FOBをきっかけにヘイ・マンデーのことを気にかけてくれた人の期待を裏切らないような、しっかりしたバンド活動を続けていきたいな」。

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掲載: 2009年05月14日 16:00

更新: 2009年05月29日 18:02

ソース: 『bounce』 309号(2009/4/25)

文/松永 尚久