インタビュー

〈アイドル〉たちのその後…… (その3)

CHRIS SLIGH
『Running Back To You』
 Brash(2008)
こういう感じの人(失礼)にも可能性を拓くのが〈アメアイ〉のいいところ。第6シーズンで10位だった彼はクリスチャン・ロック界の底辺で活動してきた自作自演派だ。この後ラスカル・フラッツのヒット“Here Comes Goodbye”を書くなど、ソングライターとして大成しそう。

DAVID COOK
『David Cook』
 19/RCA(2008)
バンド活動や自主リリースを糧に、第7シーズンを制したテキサス出身ロッカー。クリス・コーネルらの書き下ろし曲も含むが、主に自作曲をブライアン・アダムス風の歌い口で聴かせる姿はネクスト・ドートリー候補か? 制作はグリーン・デイやマイケミで知られるロブ・キャヴァロ。

DAVID ARCHULETA
『David Archuleta』
 19/Jive(2008)
青春ヴォイスと奥手キャラで第7シーズンの準優勝をさらった彼だが、12歳で「Star Search 2」に出場(ティファニー・エヴァンスに敗北)していたという過去もある。ダポ・トリミロの起用も見られるこのデビュー作ではロビー・ウィリアムス“Angels”のカヴァーが聴きモノ。

BROOK WHITE
『High Hopes & Heartbreak』
 June Baby(2009)
リリース歴もあったフェニックス出身の弾き語りシンガーで、第7シーズンの5位。審査員のランディ・ジャクソンが総監督を務めた本作では、キングス・オブ・レオンを取り上げた以外の全曲を自作。番組で歌ったコリーヌ・ベイリー・レイにも通じるフォーキーな良品だ。

KRISTY LEE COOK
『Why Wait』
 19/Arista Nashville(2008)
第7シーズンで8位だった彼女は、少女時代にポップ路線でのデビューを帳消しにされた意外な苦労人。そんな辛酸を舐めた経験から生まれた(?)情念ヴォーカルが簡素なカントリー・サウンドになかなかマッチしている。キャリー・アンダーウッドを追随する力作だ。

MICHAEL JOHNS
『Hold Back My Heart』
 Downtown(2009)
第7シーズンで8位だった好男子の彼は、実はライジングなるバンドでメジャー活動を展開していたという前歴の持ち主。ジョン・シャンクスの提供曲を含むこのソロ3作目では、番組でも好評だったブルーアイド・ソウル的なスタイルで歌声をじっくり聴かせる。

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掲載: 2009年08月19日 18:00

ソース: 『bounce』 313号(2009/8/25)

文/出嶌 孝次