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インタビュー

Jason Falkner

 多くの人に聴かれるべきポジティヴなヴァイブに満ちた新作は、自身も〈最高傑作〉と評する完全無欠のパワー・ポップ・アルバム!!

サウンドのなかに興奮が詰まっているんだよね

  スリー・オクロック、ジェリーフィッシュ、ザ・グレイズといったポップ・マニアに愛されたバンドを渡り歩き、培ってきた才気溢れるポップセンスがヒットに結びつかず、不遇とも言える時期を過ごしたこともあった。しかし、この数年、ジェイソン・フォークナーはミュージック・シーンに自分の居場所を見つけ、ソロ・アーティストとして、そして売れっ子セッション・プレイヤーとして、自分らしいペースで活動を行うやり方を見つけたようだ。

 現在の彼がアーティストとして、そのキャリアにおいてもっともいい状態にあることは、2年半ぶりとなる最新4枚目のオリジナル・アルバム『All Quiet On The Noise Floor』を聴けばあきらかだろう。今回もジェイソン1人で作り上げたポップ作品ながら、そこに収められた全11曲はこれまで以上に多くの人に聴かれるべきポジティヴなヴァイブに満ちている。ジェイソンも〈最高傑作〉と自信満々だ。

 孤高の天才シンガー・ソングライター、ダニエル・ジョンストンの最新アルバムの制作(プロデュースおよび、ほぼすべての演奏)も終えたばかりのジェイソンに、早速、話を訊いてみた。

――新作『All Quiet On The Noise Floor』を完成させた現在の心境は?

「とても嬉しいよ。でなきゃリリースしないって(笑)! 最高傑作だと思っているぐらいさ。何て言うか、サウンドのなかに興奮が詰まっているんだよね」

――前作『I'm OK...You're OKは8年ぶりのソロ・アルバムでした。今回はその前作から2年半という短い時間でリリースされるわけですけど、今回は、なぜそんなに早くリリースできたのですか? 創作意欲、創作環境ともに充実しているということなんでしょうか?

「そうだね! 〈I'm OK...〉をリリースするまでの8年間は音楽ビジネスに打ちひしがれていたということだよ。素晴らしい音楽を作り出すことに必要なワクワク感をしばらくの間、失っていたんだ。それでエールのバンドで演奏したり、ベックのアルバムでいっしょに仕事したり、他のことをやっていたんだ。それはそれで楽しかったよ。でも、その間も僕はずっと曲を書いていた。で、ある時、僕はやっぱり自分のレコードをリリースしたいんだと気付いたんだ。数年間を無駄にしてしまったと思ったよ。だから、それを取り戻す意味でも、いまこうしてスピードを上げてリリースを続けているんだよ」

――他のミュージシャンとのセッションと自分のソロでは使う思考回路は違うんですか?

「セッションの依頼の電話はひっきりなしに掛かってくるけど、正直、セッションは好きじゃない(苦笑)。だから、何でもかんでも引き受けるわけじゃないんだ。ベックとの仕事は好きだよ。僕らは友達だし、スタジオで僕がやりたいようにやらせてくれるからね」

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掲載: 2009年09月02日 19:00

更新: 2009年09月02日 19:44

文/山口 智男