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インタビュー

INTERVIEW(2)――いい仕事したべ

 

 

いい仕事したべ

 

――じゃあ話を変えて、リリースの上うえではILL-BOSSTINOさんとEMI MARIAさんをフィーチャリングに迎えた昨年末のシングル“WISDOM”が復帰作となったよね。あの曲は活動休止以降にレコーディングしたものだったの?

「どっかで言ったかもしれないけど、あれは『SEEDA』を作ってる時のもの。いまラップしてようがしてまいが、どの道あの曲とこのベスト盤は出しとこうみたいな感じで仲間内では言ってて」

――リリースは元々決まっていたということだけど、ベスト盤を発表するに至った理由は?

「(リリース・キャリアが)10年っていう区切りでちょうど良かったし、たまたま80年生まれだからそこでも区切りっていうのもあったし。あんまり意味はないですけど、意味があるとすれば次の自分はこれとはカラーが違うことをやりたいっていうのがあるから、まとめたかった」

―― 一口に10年と言っても、初期と近年ではまた活動の形も想いも、また周囲の反応もまったく違うと思うんだけど。

「そうすね、特に最初の5年と後の5年は全然違う」

――今回のベスト盤の選曲はキャリアを全体的にフォローしてるけど、選曲はどのように進めた?

「皆さんがいろいろ書いてくれるのは嬉しいんすけど、大げさじゃない話で言えば、ただまとめたものだから、あまり意味もない。〈いいじゃん〉って感じで(笑)。入れたい曲は他にもいくつかあったんすけど、自分のなかでタイプの似てる曲があったりするんで省いたり、CDの収録時間も限られてるからそこで削ったり。いまの自分にとって思い入れが多い曲を入れてったから、好きな曲で自分がミックスCDを作るように(笑)」

――今後はありふれた些細な日常を曲に落としていきたいってことを確か以前話してたよね。今回のベスト・アルバムの選曲にはそうした想いも反映されてる?

「曲を並べたり選んだりして思ったんですけど、昔書いた歌にはいまの気持ちにないことだってあるんですよね。その時はそういう生活を送ってたり、周りの環境によって思うこともあったっていう。だから、自分でいま歌ってもいいなって曲(を選んだ)。それは10年やって何が残ったかっていうことかもしれない。人が好きかもしれないけど、ちょっといまは歌いたくないなっていうものは入れてないです」

――歌いたくないほどの曲もあるんだ。

「正直なこと言うと、ライヴでも歌いたくない曲もある。(もし聴きたいって言われても)昔はやってたし、その時にライヴ来ればよかったじゃん、みたいな(笑)」

――ホントに10年やって自分に残った曲がこのベストに収められてるっていうことか。

「あと思ったのは、あんまアブない歌詞ないじゃんっていう(笑)。このアルバム聴いて怒られるかなあと思ったのは一箇所ぐらいかな。まあいっか、それもこの10年の間の話だし、みたいな。その全部をいまの自分にはできないし、昔の自分も少し入れたいし、風潮なんて関係ねえしぐらいの(気持ちで)」

――今回は数あるフィーチャリング楽曲のなかからも"GOOD BOY, BAD BOY"や"RED"など6曲が選ばれていて。

「いい仕事したべみたいな(笑)。少しは俺もムダじゃなかったって感じっすね(笑)。やっぱり申し訳ないけど客演して力になれなかったなと思う曲もあるわけで。理由言ったらいろいろあるかもしれないけど、その2曲はよかった」

――収録曲で特に思い入れのある曲は?

「全部ありますけど、当時フィーチャリング表記みたいなことしないでくれって言われたからクレジットしてないけどORITO(2008年に急逝したソウル・シンガー。『HEAVEN』に全面参加)さんはまんべんなく入ってる。“紙とペンと音と自分”なんて、ORITOさんが入ってなかったらたぶん入れなかった。ORITOさんが好きだって言ってくれたんですよ、この曲を。だから絶対入れたかった」

――初のCDリリース作の『DETONATOR』(99年作。現在廃盤)から収録された“HOSHI(feat.KLOW)”については?

「やっぱファーストから聴いてくれてる人に(感謝したい)。あのなかでどの曲かって言ったらこの曲にいちばん思い入れがあったから。歌は下手だけど、いま聴いても歌詞はそんなに悪くないし、18歳で書いたと思えば」

 

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掲載: 2010年04月28日 17:59

更新: 2010年04月28日 18:05

インタヴュー・文/一ノ木裕之