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インタビュー

イルリメツナガリの作品 ――(2)

 

EVISBEATS 『AMIDA』 AMIDA STUDIO(2008)

トラックメイカーのEVISBEATSは歌やラップもこなし、そのうえ関西出身……と重なる部分が多い。また彼の作風には正統派のヒップホップとは一線を画すビザールな趣があり、それは初期イルリメ作品のストレンジ具合とも相通じるところがあるような。この初のソロ作から感じられる、どこかスッとぼけた味わいもイルリメ的?

SUIKA 『カッコいい』 FLY N' SPIN(2008)

『360°SOUNDS』の冒頭を飾る“トリミング”にてエモーショナルなオルガンを奏でるタケウチカズタケは、イルリメがバンド志向の音を作り上げる際の重要人物。彼の参加するバンド=SUIKAもファンキー&メロウな生演奏とポエトリー・リーディングを組み合わせ、オルタナティヴなヒップホップを模索し続けている。

younGSounds 『bootleg of ys』 Less Than TV(2008)

谷口順(U.G MAN、idea of joke)らLess Than TV周辺の面々を中心に、イルリメややけのはらを加えたミクスチャーな6人編成バンド。このライヴ盤では、衝動的なロックンロールから打ち込みを交えたディスコ・チューンまでをヤンチャに振り回すサウンドに理屈抜きで昂揚させられる。なお、本作のリリースを前にイルリメは脱退した。

group_inou 『ESCORT』 GAL(2009)

ヒリヒリとした焦燥感を纏ったMCは、イルリメのユーモラスな語り口とはまるで対照的。しかし、どちらも非Bボーイ的センスでラップに向き合っていると言えるし、エレクトロニックなダンス・ミュージックからの影響が色濃い点や、どこかメランコリックなメロディーセンスなんかは相通じるところがあるんじゃないかと。

イルリメ 『メイド イン ジャパニーズ』 KAKUBARHYTHM(2008)

ブルージーなギター・プレイで幕を開ける6作目。スウィンギンなビートを履いたポップ・チューンや『360°SOUNDS』に通じるダンス・トラック、パンキッシュでガレージ風なナンバーなどが賑々しく詰め込まれている。その一方でセンチメンタルな情景を綴るたおやかな楽曲もあり、アッパー一辺倒に終わらない多面的なポップ絵巻を作り上げた。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年05月20日 23:00

更新: 2010年05月20日 23:06

ソース: bounce 320号 (2010年4月25日発行)

ディスクガイド/澤田大輔

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