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インタビュー

The Mirrazのサウンドから見え隠れしている豪華な面々――(2)

 

M.I.A. 『Kala』 XL(2007)

“TOP OF THE FUCK'N WORLD”のリズムはM.I.A.に影響されているとか。ストリーツにしてもそうだが、ひとつのカテゴリーに括ることができない自由な音楽性やリズムに対するアプローチは、今後いっそうThe Mirrazに影響を与えることになるだろう。

IGGY AND THE STOOGES 『Raw Power』 Columbia(1973)

解散の前年に発表されたイギー・アンド・ザ・ストゥージズ名義での唯一のアルバム。名曲“Search And Destroy”が、もちろん“サーチアンドデスとロイとグローリアとアレとソレとコレと”のタイトルの元だ。こういった悪ノリに近い日本語の遊びは、畠山の真骨頂と言えるだろう。

THE BEACH BOYS 『Pet Sounds』 Capitol(1966)

どうってことない日常を描いた“ただいま、おかえり”はビーチ・ボーイズの柔らかな雰囲気が意識されている。ビートルズはもちろん、キンクスやザ・フーなど60年代のバンドに言及しているように、この曲でもまた60年代を捉え直そうとしたのだろう。

the telephones 『We Love Telephones!!!』EMI Music Japan(2010)

“Let's go DISCO、そしていつもキスを”というタイトルの〈DISCO〉は、今年いっしょにツアーを回ったthe telephonesの〈無意味であることの意味〉に対する共感から付けられている。とはいえ、この曲は〈I Hate DISCOOOOOOO!!!〉と、冒頭で〈DISCO〉を否定するところからスタートするのだが。

KINGS OF LEON 『Only By The Night』 RCA(2008)

“ハッピーアイスクリーム”はキングス・オブ・レオンを本国USでも成功に導いた本作収録の“Use Somebody”にインスパイアされて作られた。U2にも通じるUK的なメジャー・コードの使い方が好きで、“シスター”にも活かされているらしいが、畠山いわく「セルアウトとはこのことか」とのこと。

QUATTRO 『WHERE IS THE COCONUTS...HA?』 サンバフリー(2010)

サポートの佐藤真彦(ギター)と中島慶三(ベース)を擁するQUATTRO。『TOP OF THE FUCK'N WORLD』の制作にあたっては、古いロックの好きな佐藤の存在が大きな役割を果たしたそう。本作は今年発表の最新作で、地味渋な印象を拭い去り、時代性と普遍性の伴った好盤に仕上がっている。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年09月08日 17:59

ソース: bounce 324号 (2010年8月25日発行)

文/金子厚武