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インタビュー

9/13 intoxicate presents TENORI-ON Special Event 出演アーティストインタヴュー2──dot i/o(a.k.a. mito from clammbon)

「肉体的かつ能動的な使い方に可能性を感じていますね」

今年5月にニュー・アルバム『2010』をリリースしたばかりのクラムボン。そのコンポーザーであり、ベーシストでもあるmitoはバンド外の活動も精力的に行っている。2006年にはナタリー・ワイズの斉藤哲也(ピアノ)とクラムボンの伊藤大助(ドラム)とのフリーフォームなジャズ・ユニットであるFOSSA MAGNA、そして彼自身が歌とギターを軸に全ての楽器を演奏するmicromicrophone、さらに、エレクトロニック・ユニットのdot i/oというプロジェクトで3枚のアルバム『想像力の独立と自己の狂気に対する人権宣言Ⅰ~Ⅲ』を発表。その表現は作品リリース後もライヴの現場でフリーフォームな進化を続けている。

「Fossa Magnaはあまり活動していないんですけど、個人でやってるdot i/oとmicromicrophoneはオファーがあれば、ライヴ活動を行っていて。特にdot i/oでは、ザ・シネマティック・オーケストラのライヴやWARP20のようなダンス・ミュージックの現場でもプレイさせて頂いたんですけど、エレクトロニック・ミュージックの個人的なルーツってことでいうと、高校生の頃に起きたセカンド・サマー・オブ・ラヴで洗礼を受けたアシッド・ハウスとかWARPレーベル、もっと掘り下げると、TMネットワークになるのかな。それと同時にCANとかジャーマン・ロックからエレクトロニック・ミュージックへの流れも自分の中で地続きなものとしてあったというか、当時は情報がないまま聴いていたので、その違いが分からないまま、気持ちよければ、ジャンルは関係なかったというか。だから、dot i/oの作品でCANのイルミン・シュミットと組んだのも、彼はエレクトロニックなものとピアノの生演奏を同時にやっていたからだし、その後のライヴもジャーマン的なアプローチで臨んでいるというか、それが今の時代にあっては結果的にエレクトロニックなものになっているのが自分でも面白いんですよね」

そのdot i/oのライヴでは2台のテノリオンを使用。インプロビゼーション主体のビート・オリエンテッドなパフォーマンスでオーディエンスの体を揺らしている。

「テノリオンはMacに入ってるシーケンスやサンプルのデータを吸い上げて、コントローラーとして使ったり、リアルな音色を出したり、使い方は様々。作りがシンプルなので、そんなに無理しなければ壊れることはないし、繋いでいても、ダメなら電源が切れちゃうので、事故も起こりにくい。あと、デジタル機材って、基本的には操作している手の動きが視覚で確認しづらいんですけど、テノリオンは音に合わせてLEDが光るので、ライヴで使う際にはアクティヴに見える。僕は楽器の演奏が基本にあるので、ポータブルかつカジュアルなテノリオンはコントローラーとしての肉体的かつ能動的な使い方に可能性を感じていますね」

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2010年09月10日 11:44

更新: 2010年09月10日 12:11

interview & text : 小野田雄