インタビュー

ふたたび盛り上がりを見せるUKボーイズ・バンド事情をレポート!

 

2010年11月最終週の全英アルバム・チャートを見て、とうとう来たなと思った。なぜってTOP3を占めていたのは順番に、テイク・ザット、JLS、ウェストライフ。つまりいずれもボーイズ・バンド! 90年代以来の一大ブームが到来したと断言していいだろう。

牽引役はもちろんテイク・ザットだ。2006年の再結成以来、彼らが第一期以上の大成功を収めたことを受けて、ボーイゾーンにイースト17、(まだ実働はしていないが)ブルー、トリオになったA1……とかつての人気グループが続々復活。ボーイゾーンはスティーヴン・ゲイトリーが急死する悲劇にも見舞われたが、最新作『Brother』はゴリラズを押さえて全英1位を獲得し、これにはデーモン・アルバーンも衝撃を隠せず……。

そして若手も着々と頭角を現しており、すでに3曲のNo.1ヒットがある「The X Factor」出身のJLSがその筆頭株。同番組で彼らのコーチ役を務めたのが、ボーイゾーンとウェストライフを育ててアイルランド発のポップスの波を作り出したルイ・ウォルシュであることも、興味深い点だ。また今夏にデビューした英国/アイルランド混合の5人組=ウォンテッドもブレイク済み(シングル“All Time Low”でUKチャート1位を獲得)。

そんななかロビー・ウィリアムズが15年ぶりに復帰してテイク・ザットのオリジナル・メンバーが揃うという大事件が起き、ブームはピークに達しようとしているのだ。彼らの2011年のツアーのチケットは1日で110万枚がソールドアウト、動員数の英国記録を自己更新。11月半ばに登場した通算6枚目のアルバム『Progress』もオアシスの97年作『Be Here Now』に次ぐ初週セールス(52万枚)を記録する一方、スチュワート・プライスをプロデューサーに迎えて新境地を拓いたその内容自体もメディアの絶賛を浴びて、目下まさに無敵!

加えて「The X Factor」の最新シリーズでは、あのサイモン・コーウェルがコーチする10代の5人組、ワン・ディレクションも健闘中で将来デビューの可能性も高いし、今後もイケメン・ポップ好きにとってハッピーな時代が続きそうだ。

 

▼関連盤を紹介。

左から、テイク・ザットの2010年作『Progress』、ボーイゾーンの2010年作『Brother』(共にPolydor)、イースト17のベスト盤『The Platinum Collection』(Warner UK)、ブルーのベスト盤『Best Of Blue』(Virgin)、JLSのニュー・アルバム『Outta This World』(Syco/Epic UK)、ウォンテッドのニュー・アルバム『The Wanted』(Geffen)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年01月26日 14:36

更新: 2011年01月26日 14:37

ソース: bounce 328号 (2010年12月25日発行)

文/新谷洋子

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