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インタビュー

煌めく〈水色ジェネレーション〉の今昔を辿る

 

南波志帆、18歳。恋も、涙も、汗も、キラキラと輝いては泡のように弾けていく10代——それはつまり〈水色ジェネレーション〉ってことなんだけど、新陳代謝も活発なその年頃の心象風景を映し出したポップソングは、今も昔もスリリングで眩しいものです。古くは……菊池桃子、かな。林哲司によるハイクォリティーかつメロウな楽曲と拙いヴォーカルのマッチングは、いま思うと完全に〈こどな〉な感覚だしね。斉藤由貴での武部聡志ワークスは、志帆ちゃんをプロデュースする矢野博康もお手本としているところ。時代は飛んで、志帆ちゃんの先輩である深キョン。亀田誠治、河野伸など錚々たるアレンジャーによって彩られた楽曲群のなかでも、“スイミング”は水色ポップの好例です。

また多彩な作家陣でシンガーとしての未知の可能性を究めていったと言えば、新垣結衣のファースト・アルバム『そら』も傑作。さらに、巷を賑わせる韓国ポップでは、志帆ちゃんと同い年のシンガー、IUが水色世代。並外れた歌唱力を武器にティーン然としたポップスから大人びたバラードまで歌いこなす稀な逸材ですね。ソロのアイドルがめっきり少なくなったので、最近モノとして最後に挙げるのはグループで。Base Ball Bearのプロデュースも手掛けていた玉井健二らを擁するクリエイター・チーム、agehaspringsがバックアップするTomato n' Pineは、数あるアイドル・グループのなかでも眩しい水色を放ってますよん。

 

▼文中に登場したアーティストの作品を紹介。

左から、菊池桃子のベスト盤『ゴールデン☆ベスト 菊池桃子』(バップ)、斉藤由貴のベスト盤『斉藤由貴 SINGLESコンプリート』、深田恭子の2001年作『Universe』(共にポニーキャニオン)、新垣結衣の2007年作『そら』(ワーナー)、IUの2011年のミニ・アルバム『Real:IU 3rd Mini Album』(Loen)、Tomato n' Pineの2011年のシングル“旅立ちトランスファー”(ソニー)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年07月20日 23:27

更新: 2011年07月20日 23:28

ソース: bounce 334号 (2011年7月25日発行)

文/久保田泰平

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