インタビュー

『GO』に至るまでの5枚



『新人クレバ』 Knife Edge(2004)

全曲のトラック制作どころか、冒頭曲から自身でスクラッチも披露し、ソロ・アクトとしてのソロ感をあえて押し出したような初作。“音色”で確立した歌ラップ的な唱法や、BONNIE PINKら女性シンガーの起用の多さもあって、聴き心地は存外にまろやか。

 

『愛・自分博』 Knife Edge(2006)

多様なチャレンジを盛り込んだ前作に対し、メロディアスな方向へ明快に振り切った印象が強く、キャッチーな“イッサイガッサイ”“国民的行事”が シングル・ヒット。引き続き参加のCUEZEROやSONOMIのほか、DABOも客演。初のオリコン1位を獲得した。

 

『よろしくお願いします』 Knife Edge(2007)

前年のBY PHAR THE DOPEST復活を経て、自身の持てる両極をバランス良く活かしたようなサード・アルバム。草野マサムネを招いた“くればいいのに”などのラヴソング群からは大人目線の成熟も覗けたり。文字通りの“ストロングスタイル”を聴かせる局面もしっかりある。

 

『心臓』 ポニーキャニオン(2009)

ベスト盤を挿んで登場したコンセプチュアルな4作目。ドレイクやドリームを思わせる声の変調も多用して、音としてのおもしろさとリリカルな意味深さを同時に獲得しているのが画期的。古内東子や将絢など艶やかな声の持ち主を揃えた客演も適任だろう。これこそが傑作です。

 

『OASYS』 ポニーキャニオン(2010)

〈骨休め〉的な意味にも解釈できる8曲入りのミニ・アルバム。インスト曲やYOUNG PUNCH“エレクトロ・アース・トラックス”のカヴァーなど変化球が目立つようでいて、“かも”と“たられば”でツボを押さえる作りがニクい!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年08月31日 19:00

更新: 2011年09月01日 18:51

ソース: bounce 335号 (2011年8月25日発行)

ディスクガイド/轟ひろみ