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インタビュー

LONG REVIEW――高橋 瞳 『PICORINPIN』



〈好き〉という感情はやっぱり最大のエンジンなのだ。ここ数作のシングルで、かなり豪華かつ一癖も二癖もあるプロデューサー陣とコラボしてきた高橋 瞳。アルバムはその集大成となる一枚だ。ヴァラエティー豊かな楽曲群が収録されているのだが、彼女の声が放つ活き活きとした躍動感が、それを貫く一つの芯となっている。そして、その源となっているのが、彼女のピュアな〈好き〉という感情。Charaの曲ではCharaを、ROLLYの曲ではROLLYを歌声に憑依させるカメレオン的なカラフルさは、それぞれのプロデューサー陣を本気でリスペクトしてきたからこそ生まれたものなんじゃないだろうか。


特に素晴らしいのは、今回のアルバムのスタート地点になったであろうBEAT CRUSADERSとの“ウォーアイニー”と、ヒダカトオルが詞と曲を手掛けた“ジレンマ”。ビークル解散後も各方面で八面六臂の活躍を見せる彼だけれど、“ジレンマ”はもっともど真ん中にあるとっておきの楽曲を提供した感じがする。これはヒダカの彼女に対する親心みたいなものなのかも。もちろんH ZETT Mとも、iLLとも相思相愛の関係であることが、楽曲の仕上がりから窺える。


プロデューサーとの出会い自体はいわば縁なのかもしれないけれど、そこから生まれた化学反応をエンターテイメント化できるのは、まさしく彼女の才能に他ならない。これから先、それがさらに開花していくのがとても楽しみだ。




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掲載: 2011年09月21日 18:01

文/柴 那典