インタビュー

ノルウェーのインディー・シーンが盛り上がっているらしいよ!



ノルウェーのインディー・シーンというと、少し前まではジャガ・ジャジストとモーターサイコが代表的な存在でしたが、チーム・ミーを筆頭に首都・オスロの新世代組が最近何やら活発に動いている模様。まず、ポスト・クラシカルな美麗サウンドを鳴らすアイナル・ストレイ(22歳)は、昨年チーム・ミーの面々を招いて『Chiaroscuro』を発表。また、モンザノやマイ・リトル・ポニーといった他の地元勢ともリンクしていて、どうやらシーンのキーパーソン的な存在のようです。そんなアイナルが尊敬するのが、ニューゲイザー人気に火を点けたセレーナ・マニーシュ先輩。先日リリースされたマリベルの新作『Reveries』に中心人物のエミールが招かれ、甘いノイズを気怠く鳴らしていました。一方、こちらもエミールが参加した120デイズの最新作『120Days II』には、リンドストロムが1曲でプロデュース参加。かの地のロック勢は、クラブ・アクトとも密接に関わっているようで興味深いですね。

さて、第二の都市・ベルゲンにもおもしろいニューカマーがチラホラ。まずは平均年齢19歳の女子バンド、ラジカ。C86にも通じる素朴なギター・ポップを詰め込んだ処女作『Program 91』がタワレコでもロング・ヒット中です。で、同作のプロデュースを担当したマティアス・テレス絡みのヤング・ドリームスやカシオキッズの面々が在籍するメガフォニック・スリフトも、2作目『Megaphonic Thrift』を発表したばかり。90年代色の強い重厚なアンサンブルを豪快に轟かせていますよ。さらに、カシオキッズに通じるエレポップをファニーに鳴らす2人組のオーシャン・オブ・ローションも年始にアルバム・デビューを飾り……と、オスロとベルゲンの2つの〈チーム〉の動きが妙に気になる次第です。



▼関連盤を紹介。

左から、アイナル・ストレイの2011年作『Chiaroscuro』(Spoon Train Audio)、マリベルのニュー・アルバム『Reveries』(Splendour/COCO HEART)、120デイズの2011年作『120 Days II』(Beautiful People)、ラジカの2011年作『Program 91』(Smalltown Supersound)、メガフォニック・スリフトのニュー・アルバム『The Megaphonic Thrift』(Club AC 30/DONUTS POP)、オーシャン・オブ・ローションの2012年作『Dive In』(Ocean Of Lotion)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年02月15日 00:00

更新: 2012年02月15日 00:00

ソース: bounce 341号(2012年2月25日発行号)

文/佐藤一道

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