こんにちは、ゲスト

ショッピングカート

インタビュー

Negicco 『Negicco 2003~2012 -BEST-』

 

長い長い道程で培われた圧倒的なスマイル! 待望のベスト・アルバムをリリ-スして上昇気流に乗る3人に、知られざる名曲それぞれの楽しみどころを紹介してもらったよ!

 

群雄割拠のローカル・アイドル……いや、メジャーどころも含めた多様なアイドルのなかでも、高い音楽性に裏付けられたチャームをひときわ輝かせてきた新潟の3人娘、Negicco。昨年夏にT-Paletteからリリースされたミニ・アルバム『GET IT ON!』、シングル“恋のEXPRESS TRAIN”で、その注目度は急上昇!──といったところで、彼女たちのファースト・アルバムにしてベスト・アルバムとなる『Negicco 2003~2012 -BEST-』が満を持して登場! 少し前まではホントに〈知る人ぞ知る〉存在だったこともあって、クォリティーの高さとは裏腹に不幸な運命を辿った楽曲も多く、そういう意味でこのベスト盤は、まさに〈埋もれていた宝〉を掘り起こしてくれるアイテムというわけだ。

ではさっそく、収録曲を年代順に追いながらあれこれとお訊きして……まず、2003年にリリースされた“恋するねぎっ娘”。新潟の名産・やわ肌ねぎのキャンペーン・ユニットとして結成されたNegiccoだけに、中身はもちろんノヴェルティー・ソング。当時はMikuを含む4人組でした。

Nao☆「私たちのレヴェルも低すぎるぐらい低かったので、〈ねぎねぎねぎっ娘♪〉って歌っていればそれで覚えてもらえるだろうって(笑)」

Megu「うまく歌うっていうよりも元気良く、って感じでね」

翌2004年には、“恋するねぎっ娘”の全国流通盤が。カップリングは、ほんのりナイアガラ・テイストの“Anniversaries”と、Negiccoを語るうえで欠かせないプロデューサー、connieが書いた“トキメキ★マイドリーム”。

Nao☆「“トキメキ★マイドリーム”は、〈トキメキハイスクール〉という地元のDJイヴェントでconnieさんたちが歌っていた曲なんです。すごく楽しそうにはしゃいでて(笑)」

Kaede「この曲はNegiccoのなかでもいちばん好きです。1曲しかなかったところに出来上がってきた曲だし、歌詞も〈夢に向かって走り続けたい〉って、かなり元気づけられました」

2006年のシングル“Falling Stars”は、前年に地元の〈古町音楽祭〉でグランプリを獲ったダンス・ナンバー。カップリングは、さながら初期Perfumeといった趣きのテクノ・ポップ調“完全攻略”と、筒美京平ライクなディスコ歌謡“Disco!!The Negicco”。

Nao「グランプリになると繁華街の大きなスクリーンでPVを流してもらえるんですね。そうなれたら知名度も上がるんじゃないかって、connieさんも必死でした」

が、同年秋にはオリジナル・メンバーのMikuが卒業。その後にレコーディングされた“SKY”(昨秋のデジタル写真集で初出)では、Nao☆が作詞にトライしている。

Nao☆「別の夢に向かっても気持ちはいっしょだよ、っていう言葉を伝えたかったんです。Mikuちゃんはいちばん歌が上手かったから、このままじゃNegiccoは消えちゃうんじゃないかって危機感を抱いて、歌を猛練習してた時期ですね」

新たなスタートラインに立ったNegiccoは、2007年秋にシングル“EARTH”を自主リリース。カップリングの“君といる街”は、今回のベスト盤用に再録されている。

Megu「ここから過酷な手売り時代になりますね(笑)」

Nao☆「TV局のキャンペーン・ソングとしてスポットもよく流れてたので、地元ではそこそこ名前と顔が知られるようになってきました」

2008年6月リリースのシングル“Summer Breeze”は、カップリングの“My Beautiful Life”ともども完成度の高いエレクトロ・ポップ。ただ〈良い曲〉というだけではなく、ダンサブルな曲調のなかに含んだ独特のセンチメンタリズム──Negiccoサウンドの基本形と言えるような楽曲に。

Kaede「音がプロっぽい。このあたりでNegiccoもイメージを変えたよね」

Nao☆「〈ありがとう〉っていう歌詞も染みるし、ライヴでも感情が入っちゃう感じなので、いちばん好きな曲かな」

そして同年10月には、先だって〈めちゃイケ〉のエンディング・テーマに大抜擢されたシングル“圧倒的なスタイル”が登場している。

Kaede「最初にもらったときはテンポも遅かったし、2回ぐらい歌って放置してたよね(笑)」

Megu「でも、ファンの人たちが〈あの曲やらないの?〉って。それでconnieさんにキーとテンポを上げてもらったんです」

2009年6月の“アノソラヘ”は、アダルトな雰囲気のエレクトロ・ナンバー。ここでもNao☆が作詞を手掛けている。

Nao☆「締切まで3日しかなくて。曲のイメージから感じた詞を書いてって言われて、思いっきり空想してみました(笑)」

ここまでの楽曲はライヴ会場でしか入手できなかったものだが、2010年7月のシングル“プラスちっく☆スター”では、全国流通盤に返り咲き!

Kaede「でも、曲調的には逆戻りしちゃったなって思いました(笑)」

Megu「“My Beautiful Life”とか“アノソラヘ”でPerfumeさんのファンの方にも気にかけてもらえたのに、その流れを戻しちゃって、カップリングの“ねぎねぎROCK ~私もお家に連れてって~”とか最初は歌いたくなかったんです。でも、作詞をしてくださった武並(“JJ”俊明)さんがネギについていっぱい調べてくださったっていうのを聞いて、すごく愛を感じて」

Nao☆「嬉しそうにネギの話をされるのを見て、歌いたくないって言ってた自分たちを責めましたね」

直後のシングル“ネギさま!Bravo☆”も〈ネギ〉というキーワードを活かしつつ、サンバ・テイストを盛り込んだ90年代J-Popテイストのポップ・ナンバーに。

Megu「オシャレだし、ちょっと懐かしい感じがしますよね。カップリングの“スウィート・ソウル・ネギィー”やリミックスを含めたこのシングルが、私はいちばん好きかも」

Kaede「でも、歌うのも踊るのも難しい(苦笑)」

といった楽曲群の後にT-Paletteからの2作品が続き……そして、なう。今回のベスト盤用に収録された新曲が“Party on the PLANET”。Negiccoのネクストを予見させるような、2ステップ調のアーバンなダンス・チューンだ。

Nao☆「いままでのNegiccoにはなかった曲。これもまた難しいんだよね」

Megu「うん、難しい~」

Nao☆「新潟のThe PLANET(オーナーはDJイヴェント〈申し訳ないと〉主宰でお馴染みのミッツィー申し訳)っていうクラブでの光景をconnieさんが歌詞にしたんです。吉田豪さんや杉作J太郎さんのことを歌ってるフレーズがあったり、スタッフの女の子が登場したり」

そんなラインナップで送る『Negicco 2003~2012 -BEST-』。このリリースをきっかけに、Negiccoの快進撃がさらに加速していくのは間違いないだろう。全国区のメディアで取り上げられる機会も増え、3月には東京でのワンマンも決定しているし……かねてから公言している武道館をめざして、3人の野望は膨らむばかりだ! これからも応援よろしくネギネギ!

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年02月22日 00:00

更新: 2012年02月22日 00:00

ソース: bounce 341号(2012年2月25日発行号)

インタヴュー・文/ピ~ス!久保田