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インタビュー

Serphが所属する信頼のレーベル・noble



テクノやポスト・ロックの勃興を経て〈エレクトロニカ〉という呼称の指すサウンドが細分化されるなか、2000年代に入ると日本でもPROGRESSIVE ForMや涼音堂茶舗といった、いまでは名門と言える電子音楽レーベルが始動。このnobleも、world's end girlfriend『farewell kingdom』を第1弾として2001年に誕生している。以降は順調にカタログを重ね、2011年には10周年記念コンピ『Invisible Folklore』もリリース。澁澤龍彦の幻想小説を下敷きにしたこのコンピに集結した面々は、nobleがいかに多くの才能とリンクしてきたかを如実に示している。まずは、暴力的なビートと深遠なシンセを独自のエディット感覚で美しいダーク・ファンタジーへと変換するworld's end girlfriend。Serphとは対極とも言える世界観を持つ彼はnobleに初期作品を数枚残し、のちに自主レーベル・Virgin Babylonを起こして独立。また、斬新なプログラミングや音のコラージュにより〈第2のworld's end girlfriend〉とも賞されたKASHIWA Daisukeは、自身の作品以外にTV番組やCM音楽、ミックスやマスタリングなど、現在は外部仕事も多くこなす存在に。さらには片やノスタルジックな、片や神々しい美声を持つ電子音楽界の歌姫・GutevolkとPianaや、映画/舞台音楽も手掛けるkazumasa hashimoto、コンピ外にも地道に良作を発表し続けるアヴァン・ポップ・デュオ、tenniscoatsらが並ぶが、どのアクトにも通じるのは、実験性に支えられた優美なポップ・ミュージックとしての強度と、聴き手の想像を掻き立てるファンタスティックな音像だ。そんなファミリーには昨年から海外アクトも加わり、4月にはサイモン12345&ザ・レイザー・ツインズの初作が登場予定。同作にはReliqがリミキサーとして参加している。



▼関連盤を紹介。

左から、world's end girlfriendの2001年作『farewell kingdom』、2011年のレーベル10周年コンピ『Invisible Folklore』、KASHIWA Daisukeの2009年作『5 Dec.』、Gutevolkの2007年作『グーテフォルクと流星群』、Pianaの2007年作『Eternal Castle』、kazumasa hashimotoの2010年作『strangeness』、tenniscoatsの2002年作『The Ending Theme』、4月15日にリリースされるサイモン12345&ザ・レイザー・ツインズのファースト・アルバム『If I stay here, I'll be Alone』(すべてnoble)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年04月19日 12:45

更新: 2013年04月19日 12:45

ソース: bounce 353号(2013年3月25日発行)

文/土田真弓

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