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インタビュー

『Melody Palette』を形成するカラフルな彩りのひみつ



1. 愛のタワー・オブ・ラヴ


西寺郷太(NONA REEVES)のプロデュースで、2013年のキックオフを飾った2月のシングル。Negiccoが参加した危険日チャレンジガールズ!曲を西寺が手掛けていた縁から発展したものだが、ここではNONAの奥田健介(ギター)以外は詞曲も編曲もプログラミングも西寺自身が担い、密度の濃いフロア対応トラックに。西寺ワークスではbump.yの新曲“SAVAGE HEAVEN”も必聴。


2. あなたとPop With You!


ベスト盤で区切りをつけた後の新たな視界を晴れやかに開く一枚として、昨年6月にリリースされたシングル曲……だが、曲の並び的にシングルで聴いた時より数段良く聴こえる! ホーンとクラップの利いたconnieらしいアレンジの小気味良さはもちろん、ソロ・パートでのKaedeも筆頭に三者三様な声質の良さが明快にわかるのもポイント。とにかく爽快!


3. アイドルばかり聴かないで


名匠・小西康陽をプロデュースに迎えた5月のシングル曲。近年はPIZZICATO ONEを始動し、八代亜紀の素晴らしい『夜のアルバム』やMEGのプロデュースなどで手腕を発揮している小西だが、ここでは小倉優子や林未紀との仕事の延長線上に照準を定めつつ、深田恭子のアレを思わせる〈可愛い子にバカと言われたい〉願望の発露が恐ろしく小西的でトゥルットゥ〜。



4. イミシン☆かもだけど


最近では花澤香菜の“Silent Snow”や“青い鳥”における流麗な手捌きで名を上げた、長谷泰宏(ユメトコスメ)プロデュースの乙女チューン。ROUND TABLEやエイプリルズの楽曲を中心に、坂本真綾や中島愛、やなぎなぎのストリングス・アレンジで手腕を発揮する長谷だけに、ドラマティックな弦と奥手なリリックで少女漫画のメルヘン世界をゴージャスに描き出している。



5. 相思相愛


Negiccoとは昨年の〈VIVIVI〉で同じ舞台を踏み、一歩先に出したファースト・アルバム『lost decade』も好評のtofubeatsがプロデュースを担当。lyrical schoolや9nineとの仕事にも定評のある彼だが、もっとも演者と年齢の近い同世代だからこそ、3人の等身大に近い賑々しいノリが素直に引き出されたのかもしれない。タイトなドラム・ループと絡むNegiccoの姿も新鮮だ。



6. 恋のEXPRESS TRAIN


2011年11月リリースのシングル曲。connie一流の手捌きで絶好調な真冬の恋を綴った白銀ソングとなるが、connieがここまで具体的(とは?)な恋愛ソングを提供したのは初めてで、3人の歌世界の大きな転換点だったのかも。スウィングするビートに祝祭感のあるホーン、鐘の音、ギター・ソロなどの意匠が醸す王道のJ-Pop感に頬も緩む。



7. GET IT ON!


2011年7月に登場したT-Palette移籍ミニ・アルバムの表題曲で、ここまでのNegiccoが生み出してきた良曲を集大成したかのような、透明感のあるダンス・トラック。これが素朴で懐かしく思えるほど、3人の成長とconnieのスキルアップした姿はアルバムの随所に窺える。



8. ナターシア


横浜きっての冴えたボンクラたち、サイプレス上野とロベルト吉野との合体が、昨年11月の対バン共演を経て実現。“Hey DJ”もあしらった静謐なビートに乗せて冒頭からサ上がフロウしまくり、Negiccoも“Light in the distance”以来のラップを闊達に披露。サ上とロ吉はT-Paletteの2周年記念ミックスCDもしたばかりだ。



9. ルートセヴンの記憶


国道402号に続いて国道7号を題材にした、大人っぽいタッチが素晴らしいconnie製の逸曲。“やさしさに包まれたなら”と“中央フリーウェイ”をミックスしたような素直なユーミンへのオマージュぶりも良いが、歌詞に〈青い鳥〉や〈林檎のシンフォニー〉を忍ばせる遊び心も微笑ましい。なお、国道7号は新潟駅から中心街の星の降る町へと向かう道にあたる。



10. ネガティヴ・ガールズ!


コミカル&ポジティヴな詞を3人が共作したconnieの曲で、アレンジャーには竹達彩奈『apple symphony』も記憶に新しい吉田哲人を起用。疾走するストリングスはもちろんスタイル・カウンシルの引用ながら、そこでコーラス隊が〈Young Bloods〉とクレジットされているのも洒落が利いている。吉田がThe Hairにいた縁から、ギターでthe genoのアレッシー(あいさとう)が参加!



11. Negiccoから君へ


近年はアップアップガールズ(仮)からCheeky Parade、T.O.K.まで幅広い顔ぶれを手掛け、みずからの新曲“ELECTRIC”も発表したばかりのRAM RIDERがプロデュース。彼もまた〈VIVIVI〉や今年3月の〈three cheers〉でNegiccoとは対バン済みだが、ここでは3人から〈君〉への感謝の言葉をPerfumeライクなサウンドで演出する感動的な仕事ぶり。彼女たちが感謝を捧げるメロディーメイカーの〈君〉とは……。



12. スウィート・ソウル・ネギィー(grooveman's Jack Bounce Mix)


Negiccoと同じ2003年にENBULLでデビューした同期生(強引)、grooveman Spotが2010年発表の人気曲をリミックス。ヒップホップからクロスオーヴァーして近年はドス黒いテクノ方面に作風を広げている彼だが、ここではZEN-LA-ROCK“NEW JACK UR BODY”での仕事を思い出させるニュー・ジャック無双ぶりを発揮!



13. ニュートリノ・ラヴ(banvox remix)


こちらはアルバム未収録曲をbanvoxがリミックスしたもの。Negiccoより年下の彼はMaltine発の『Intense Electro Disco』で脚光を浴び、『Instinct Dazzling Starlight』が海外でヒットした期待のEDMクリエイター。東京女子流やフォーリン・ベガーズ、イグザンプルも手掛ける世界水準の音はDJ Meguのプレイにも活用されそうだ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2013年08月22日 15:30

更新: 2013年08月22日 15:30

ソース: bounce 357号(2013年7月25日発行)

文/出嶌孝次

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