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インタビュー

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オレペコ的オリエンタル・ジャズ、そう、世界は繋がっているのだ!

オリジナル作品としては4年ぶりとなるorange pekoeの新作『Oriental Jazz Mode』。時間をかけてじっくり練り上げてきた今回のアルバムのテーマは、何と〈オリエンタル〉。ブラジル音楽やブラック・ミュージックを独自の方法論で表現してきた彼らのこれまでを思うと、少し意外に思う方もいるだろう。

「私がオリエンタル・ミュージックにハマってしまったんですね。それとブラック・ジャズを混ぜることでどこにもない音楽ができるんじゃないかと思って、一馬くんに相談したんですよ。ウム・クルスームとかトルコのババズーラ、メルジャン・デデ、ジプシーのエスマを聴いてもらい、いろいろ曲を作ってもらったんです」(ナガシマトモコ、ヴォーカル)

「かといって中東音楽はそんなに手軽に踏み込めるものじゃなくて、音の向こうに深い世界が広がっていることは聴いた瞬間に分かった(笑)。でも、音階やリズムを研究するうちにいくつかアイデアが出てきたので、アラブ・ヴァイオリンの及川景子さんに『こういうことがやりたいんです』と相談して形にしていったんです」(藤本一馬、ギター)

パーカッションの岡部洋一やピアノの吉澤はじめなど盟友もバックアップして作り上げられたのは、中東や東欧の音楽世界とこれまでOrange pekoeが作り上げてきたものが自然に溶け合った、まさに世界にここにしかない音楽。「中東の音楽は本当に奥深いので、やりはじめてから〈こんなものに手を出してええんかな?〉という葛藤はありました(笑)。でも、リズムにせよ音階にせよ、すごく魅力的なんですよ。だから、どうしてもやりたくなってしまった」とナガシマが話すように、異国の音楽に対する強い愛情と好奇心が全編を貫いている。ただし、ここにあるのは異国に対するエキゾチシズムではなく、それが自分の足下とも繋がっているという確固たる認識である。

「どの地域の音楽にも共通するものがやっぱりあって、そうすると自分たちのルーツに戻っていく部分があった。それを総称する言葉としての〈オリエンタル〉が今、すごくしっくりきてるんですね。今回アジア的な部分も盛り込んだつもりですし、感覚的に今後なんらかの形で発展していくような気がする」(藤本)

「アラブの旋律にノスタルジーを感じる瞬間があるんですよね。リズムにしても血が騒ぐものがあったり、〈なんやろ、コレ?〉って」(ナガシマ)

「音楽に対する意欲がさらに高まってる」(ナガシマ)というorange pekoeのオリエンタル・ジャズ。この方向性が今後どのように発展していくのか、本当に楽しみだ。



LIVE INFORMATION


『orange pekoe with the Big Band Party Night!!!』
○12/14(土)17:00開場 18:00開演
会場:東京渋谷 duo MUSIC EXCHANGE
http://www.sogotokyo.com



カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2013年10月21日 10:00

ソース: intoxicate vol.106(2013年10月10日発行号)

interview&text :大石始