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トム・ハレルのニュー・アルバム『Trip』

トム・ハレル

マーク・ターナーを迎えたトム・ハレルのニュー・グループ〈Trip〉による新作『Trip』!

前作『カラーズ・オブ・ドリームス』同様、コード楽器であるピアノを外し、ピアノレス編成である、2管、ベース、ドラムで生み出せるオリジナルなサウンドを追求。

ハーモニーを規制しがちなコード楽器を入れることなく構築したトム・ハレルのアレンジメントは実に秀逸。ある時はユニゾン、ある時はリフを絡み合わせ、キメの場面もきっちり…。しかし、その底辺には、音の重なりによって生まれるハーモニーへの計算も。その緻密さこそトム・ハレルの奇才たるところ。もちろん奇才の描く構想を表現できる面々を迎えてこそ実現できたといえますが、4人が和としての効果でなく、音を掛け合わせることによって出来るサウンドは、決定的にオリジナルなのです!

しかし、緻密なアンサンブルが一方にあって、自由な演奏がなされるというパラドックスにも、驚くこと必至。
現代ジャズを追いかけるファンの方であれば、本作2曲目の“Cycle”は、正に必聴!めくるめく高速のリフに、メンバー総勢スイッチが入った凄まじい演奏。数多いマーク・ターナーのバイ・プレイの中でもこのソロは5本の指に入る勢いが溢れたもの。続くトム・ハレルもいつになくバリバリのソロを展開。オケグオ~アダム・クルースのしなやかかつ強靭なリズムにも背中を押され…、この1曲だけでも、この作品は語られ続けられるに違いありません!

ライナー・ノーツは、あのデイブ・ダグラス。同じトランペッターとして、トム・ハレルからコメントを引き出し、分析する文章は、単なるトランペット奏者の先輩としてのみでない深いリスペクトも全面的に出ています。演奏家として、コンポーザー、アレンジャーとして、音楽を追究するトム・ハレルの創造性。アーティストの叡智が結実した作品です。

【パーソネル】
Tom Harrell(tp, flh)
Mark Turner(ts)
Ugonna Okegwo(b)
Adam Cruz(ds)

【収録曲】
1. Sunday
2. Cycle
3. The Ingenious Gentleman (Adventures of a Quixotic Character Pt. 1)
4. The Duke and the Duchess (Adventures of a Quixotic Character Pt. 2)
5. Enchanted (Adventures of a Quixotic Character Pt. 3)
6. Sancho and Rocinante (Adventures of a Quixotic Character Pt. 4)
7. The Princess (Adventures of a Quixotic Character Pt. 5)
8. Windmills (Adventures of a Quixotic Character Pt. 6)
9. Coming Home
10. Coastline
11. After the Game is Over
12. There

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2014年08月18日 19:13

更新: 2014年08月18日 19:13