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復刻!日本ジャズ維新

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「新世代ジャズの幕開けぜよ!」とばかりに若手の新しい才能が次々と頭角を現し、まさに平成のジャズ維新が動乱期に突入した90年代にキングレコードに残された名作を20作品一斉再発!!!

1980年代、米・ジャズ界で華々しくデビューし、若手ジャズ・シーンを牽引したウイントン・マルサリス。多様化したジャズに、今一度ストレート・アヘッドなフォー・ビートを基調としたアコースティック・サウンドを注入して、さまざまな革新的努力を重ね、切磋琢磨していた。そして90年代、バークリー音楽院帰りのドラマー大坂昌彦らを中心に若手世代排出の時代が、ようやく日本のジャズ界にも到来し“日本ジャズ維新”ムーヴメントとなった。今や中堅~ベテランとなり最前線で活躍するジャズメン達が、若く活き活きとしたアツいプレイを繰り広げた伝説の『ジャズ維新ジャム』を含む全20タイトル!

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1970年代後半、世界のジャズ・シーンは、エレクトリックなサウンドや、8ビートや16ビートを取り入れた、いわゆる“フュージョン・サウンド”が席巻していた。しかし1980年代に入ってウィントン・マルサリスが登場し、彼を中心として、アコースティックな4ビートとアドリブ・ソロを基調とした、伝統的なジャズ・サウンドを復権させようという動きが起こった。そして彼に追従するように、その方向性を志す若手プレイヤーたちが数多くジャズ・シーンに登場するようになる。

そして、そんなアメリカのジャズ・シーンの動きを受け、日本でも、彼らから影響・刺激を受けた若いジャズ・ミュージシャンたちが、続々と登場するようになってきた。そんな動きにいち早く注目し、彼らをサポートしたのが、キングレコードのPaddle Wheelレーベルだ。1991年10月には、アメリカのボルチモアで活動していたクリヤ・マコトの『ボルチモア・シンジケート』、1992年12月には、当時から“天才”と呼ばれていた10代のトロンボーン奏者中川英二郎の『中川英二郎&FUNK '55』、1993年5月には、かつてアメリカで活動していたドラマーの大坂昌彦と、当時若手ナンバー・ワン・トランペッターといわれていた原朋直が結成した“大坂昌彦&原朋直クインテット”のファースト・アルバム『ドーン・ブレイクス』などが、同レーベルからリリースされた。

そして1993年12月27日の深夜、当時東京・護国寺にあったキングレコードのスタジオで、歴史的なレコーディングが行なわれた。それが『日本ジャズ維新ジャム』だ。若手たちのよき相談役であり、兄貴分でもあった、“日本のアート・ブレイキー”こと小林陽一(ds)の呼びかけで、原朋直(tp)、松島啓之(tp)、中川英二郎(tb)、多田誠司(as)、山田穣(as)、安保徹(ts)、三木俊雄(ts)、岡安芳明(g)、クリヤ・マコト(p)、椎名豊(p)、井上祐一(p)、嶋友行(b)、納浩一(b)、そして小林陽一という14人のミュージシャンが一堂に会し、さらにスタジオ内に観客も招き入れるという異例の状況で、一大ジャム・セッションが行なわれ、それがそのままスタジオ・ライヴ・アルバム『日本ジャズ維新ジャム』としてリリースされた。そしてそこで展開されていた、若いエネルギーとパワーに溢れながらも、決してただの勢いだけではなく、ひとりひとりが確かな実力と高い音楽性を持ち、なにより全員が真摯にジャズに取り組んでいる姿勢が伝わってくる演奏は、多くのジャズ・ファンのハートに響き、日本のジャズ・シーンにも大きな衝撃を与えた。彼らはみんな“若手”ということだけで集められたわけではなく、それぞれが本物の、優れた才能を持ったミュージシャンたちだったのだ。まさに、日本のジャズの新時代の幕開けを告げるかのような、熱気と興奮に満ち溢れたセッションになっていたのである。

そしてそれ以降、“ジャズ維新組”の活動はより活発化していき、Paddle Wheelもそのムーヴメントをさらに積極的にサポートしていくことになる。大坂&原クインテットのアルバムやそれぞれのリーダー作、またクリヤ・マコト、中川英二郎、井上祐一、岡安芳明などのリーダー作に加え、ジャズ維新メンバーが数多く参加した小林陽一&グッド・フェローズの作品、若手たちが日本有数のビッグ・バンドである宮間利之&ニューハードと共演した『ビート・ジェネレーション』、若手ミュージシャンたちとベテラン・ミュージシャンたちとのセッション・アルバム『ジャズ・バトル・ロイヤル』、さらなる若手たちが参加したセッション・アルバム『ジャズ新鮮組』などといった、意欲的なアルバムが次々とPaddle Wheelからリリースされていった。そしてそのどのアルバムでも、日本のジャズが新たなる時代に入ったことを音で表現しているかのような、とても新鮮で、瑞々しいサウンドが展開されていた。彼らは卓越したテクニックを持ち、そしてなにより、アメリカのジャズに対するコンプレックスを持っていない。日本人による、日本人のジャズに、誇りと自信を持ってプレイしているのである。彼らはアメリカのトップ・ミュージシャンたちと共演しても、まったく気後れしていないし、時にはそれを凌駕する演奏も聴かせる。まさに新時代の、ジャズ・ミュージシャンたちだったのだ。

そんな“ジャズ維新”のメンバーたちは、ご存じの通り、現在も日本のジャズ・シーンの中心的存在として、バリバリと活躍し続けている。そしてそんな彼らを慕う、さらに下の世代のミュージシャンたちも育ってきている。これは、この“ジャズ維新”のムーヴメントが、単なるブームなどではなく、“本物”だったことの証しだろう。今回、この再リリースを機会に、そんな日本のジャズの貴重なドキュメントを、あらためてじっくりと聴いて、楽しんでほしいと思う。この若々しく、ハツラツとした、そして未来に目を向けた音たちは、今聴いても新鮮だし、20年近く経った今も、まったく色褪せていない。

Jun. 2015 熊谷美広

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タグ : ジャズ復刻&発掘 リイシュー

掲載: 2015年09月04日 12:36