スウェディッシュ・サイケデリック・ドゥーム、アヴァタリアム新作
2013年にセルフタイトルのデビュー・フル・アルバムをドイツのニュークリア・ブラスト・レコーズよりリリースして注目を浴びたスウェーデン・ストックホルムを中心に活動するアヴァタリアム。ブラック・サバスから脈々と受け継がれる重厚なドゥーム・メタルをベースに、ブルー・オイスター・カルトに代表される1970年代ハードロックやアメリカン・ゴシックなフォーク・テイストとサイケデリア、そしてNWOBHMやディオ期ブラック・サバスを思わせる古き佳きへヴィメタルの息吹を絶妙なバランス感覚でブレンドし、力強く伸びやかな女性ヴォーカルのフィーチャーとレイドバックとは異なるサウンド・プロダクションでフレッシュに纏め上げ、高い評価を受けた前作から早2年。待望のセカンドアルバム『ザ・ガール・ウィズ・ザ・レイヴン・マスク』がついに発売される。
『ザ・ガール・ウィズ・ザ・レイヴン・マスク』は、前作で心を掴まれたヘッズを確実に満足させるクオリティを維持するだけでなく、ネクストレヴェルをも提示する内容だ。“ドゥーム”という単語から想起するリフ・オン・リフのスタイルとは趣の異なる展開の豊富さはよりブラッシュアップされ、かつ彼らをドゥームたらしめているタフなリフワークも新たなサウンドメイキングでアヴァタリアムらしさを際立たせている。カタトニアやブラッドバス、ナザム、ムーンスペルといったバンドの作品に携わってきたデイヴィッド・カスティロ(ゴーストワード・スタジオ)がミキシングを手がけているのも注目すべき事実だろう。プロデュースはマルクス・イデルがバンドを代表して務めている。
初回限定盤のボーナス・ディスクとして追加されるDVDには、2014年にドイツ・ヴュルツブルクにて開催されたドゥーム・フェスティヴァル〈ハマー・オヴ・ドゥーム・フェスティヴァル 2014〉出演時のパフォーマンスが収録されている。セイント・ヴァイタスやオレンジ・ゴブリンといった重鎮が名を連ねる同フェスに活動開始から1年足らずで出演を果たしたアヴァタリアムだが、その圧倒的な存在感と風格さえ漂う佇まいには底知れぬポテンシャルを感じずにはいられない映像となっている。
【メンバー】
レイフ・エドリング(ベース)
ジェニー・アン・スミス(ヴォーカル)
マルクス・イデル(ギター)
ラーズ・スコルド(ドラムス)
カール・ウェストホルム(キーボード)
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)
掲載: 2015年10月20日 11:36