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ピアノを弾き音楽を語る!『トルコ行進曲~アファナシエフ・プレイズ・モーツァルト』

アファナシエフ

発売が延期されていた<完全生産限定盤>(SICC-19021)は、発売日が2016年11月30日に決定いたしました。お待たせして申し訳ございません。
衝撃の「ベートーヴェン:悲愴・月光・熱情」に続く、ロシアの鬼才ピアニスト、ヴァレリー・アファナシエフのソニー・クラシカル第2弾は、今年生誕100年を迎えるロシアの名ピアニストにしてアファナシエフの師であるエミール・ギレリス(1916~1985)に捧げられたオール・モーツァルト・アルバムです。
アファナシエフにとっては1993年の日本コロムビアへのソナタ第14番以来23年ぶりのモーツァルト・ソナタ録音であり、最も有名な「トルコ行進曲」付きの第11番のほか、2曲しかない短調ソナタのうちの第8番イ短調、そして明朗な曲調で知られる第10番ハ長調の3曲を収録しています。
アファナシエフの師ギレリスは、バロックから同時代音楽まで幅広いレパートリーの中で、その晩年の15年は、特にモーツァルトとベートーヴェンの演奏に傾注し名盤を数多く残しており、そのためここでもギレリスが得意にしたイ短調ソナタを含むモーツァルトのソナタが選ばれています。
(ソニーミュージック)

自らのことをピアニスト、詩人、文筆家と語るアファナシエフは音楽について、人生について実によく語るアーティストです。2001年に刊行された『音楽と文学の間―ドッペルゲンガーの鏡像』(論創社)などほんとうに難解で、文字を追っていると眩暈がしそうなほど。ニーチェをはじめ、ロシアの文学者や思想家から数多くの言葉を引用して書き連ねる様は、異端のピアニストという彼のキャッチフレーズを強化して余りある内容です。その言わんとするところは、楽譜から作曲家の物語をくみ取って、自らの物語をピアノで表現する、という姿勢に尽きるのではないでしょうか。小説家や詩人たちの文学作品からインスピレーションを受けて、自らの音楽作品を書き進めたのがロマン派の作曲家たちだったとすれば、アファナシエフの立ち位置はシューマンにもっとも近しいのかもしれません。
そんな彼が、過去にモーツァルトのソロ作品をレコーディングしたのは、Denonレーベルに残した『アファナシエフ・プレイズ・モーツァルト』のみ。早世した作曲家晩年の、しかも短調作品だけを並べた一枚でした。アファナシエフの言葉どおり、まさにモーツァルトの「あるストーリー」をピアノで語ろうとしたアルバムでしょう。
どちらかと言えば、シューベルト、シューマン、ブラームスといったロマン派の音楽を好んで録音していたアファナシエフがここ数年、積極的にプログラムに取り上げるようになったのがベートーヴェンと、このモーツァルト。2014年に 円光寺&読響と共演した協奏曲も“ジュノーム”と最後の第27番でした。彼のモーツァルト観に何か変化が起きたのか? 限定仕様盤に付録されているDVDのインタビューには興味が尽きません。プロデューサーは、Denon時代からの盟友ゲルハルト・ベッツです。
音楽については多弁なアファナシエフですが、ピアノ演奏に関しては過去、あまり多くを語っておりません。「テンポは一定に保つべき」と、「何よりも和声(ハーモニー)を優先するべき」ということくらいでしょうか。さて、今回はどんなモーツァルトが語られているのか。現代に生きるロマン主義者、アファナシエフのモーツァルトを聴きのがす手はありません。
(タワーレコード)

【収録曲目/内容】
モーツアルト
[Disc 1]
ピアノ・ソナタ第8番 イ短調 K.330(300d)
ピアノ・ソナタ第10番 ハ長調 K.330(300h)
ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 K.331(300i)“トルコ行進曲付き”
[Disc 2](注)SICC-19021/2 のみ
 1.「ヴァレリー・アファナシエフ、モーツァルトを語る」
 2. アファナシエフへのインタビュー
 3. ピアノ・ソナタ第8番 イ短調 K.330(300d)より
 4. ピアノ・ソナタ第11番 イ長調 K.331(300i)“トルコ行進曲付き”より
【演奏】
ヴァレリー・アファナシエフ(ピアノ)
【録音】
2016年4月18日~21日、ベルリン、イエス・キリスト教会

カテゴリ : ニューリリース | タグ : SACDハイブリッド(クラシック) 高音質(クラシック)

掲載: 2016年09月03日 00:00

更新: 2018年08月06日 00:00