シューリヒト没後50年~珍しいSP録音も網羅『カール・シューリヒト/デッカ録音全集』
日本のCDファンの間で今なお敬愛されているドイツの往年の巨匠カール・シューリヒト(1880~1967)の没後50年に合わせて、彼の英デッカ録音が集成されました。注目は正規盤日本未リリースだった1940年代のSP録音が入っていること。また、2014年にタワーレコード企画盤として発売した1956年録音のシューベルト“未完成”とモーツァルト“ハフナー”(PROC-1627)は、企画盤ではステレオ・テイクを収録したことろ、当BOXセットではモノラル・テイクを採用していますので、この音質や印象度の違いにもファンは興味津々といったところでしょう。シューリヒト・ファン必携の1組です!
(タワーレコード)
カール・シューリヒトは1880年、ダンツィヒでドイツ人の父とポーランド人の母の間に生まれました。オルガン製作者であった父親は、カールが生まれる直前に事故で亡くなりましたが、母親はオラトリオ専門の歌手でした。カール自身は音楽のあらゆる分野で才能を示し、10代半ばにして才能ある器楽奏者として認められ、自分自身で数多くの作曲も行っていました。当然指揮もこなしており、ベルリンでフンパーディンク、ライプツィヒでレーガーに学ぶ権利を得、その後ヴィースバーデンで指揮者としての地位を得たのでした。彼は1911年から1944年の30年以上にもわたってこのポジションを務めました。その間に数多くの経験を積みながら、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロンドン・フィル、パリ音楽院管弦楽団などとドイツ=オーストリアの作品を中心にDeccaへ録音を行ったのでした。このBOXに収められたDeccaへの録音のなかには、クリスチャン・フェラス、バックハウスのバックを務めた音源も含まれています。各CDはオリジナル・ジャケットデザインによる紙ジャケットに封入。
彼のベートーヴェン:交響曲第5番の演奏について、「作品にとってこれ以上の演奏はあり得ない」とフルトヴェングラーが語っています。
(ユニバーサルIMS)
*Decca正規盤発売としては初CD化
収録予定
【CD1】ベートーヴェン:1) 交響曲第1番ハ長調Op.21~ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団[録音]1952年5月, ウィーン楽友協会, 2) 交響曲第2番ニ長調Op.32*~スイス・ロマンド管弦楽団[録音]1947年2月、ジュネーヴ放送スタジオ
【CD2】ベートーヴェン:1) 交響曲第5番ハ短調Op.67~パリ音楽院管弦楽団[録音]1949年6月、パリ、メゾン・ドゥ・ラ・ミュチュアリテ, 2) コリオラン序曲Op.62*~ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団[録音]1948年7月、ロンドン、キングズウェイ・ホール
【CD3】ベートーヴェン:1) 交響曲第2番ニ長調Op.32~ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団[録音]1952年5月, ウィーン楽友協会, 2) ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.83~ヴィルヘルム・バックハウス(ピアノ)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団[録音]1952年5月, ウィーン楽友協会
【CD4】ブラームス:1) 交響曲第2番ニ長調Op.73~ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団[録音]1952年6月, ウィーン楽友協会, 2) ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調Op.102*~ゲオルク・クーレンカンプ(ヴァイオリン) エンリコ・マイナルディ(チェロ)スイス・ロマンド管弦楽団[録音]1947年7月、ジュネーヴ放送スタジオ
【CD5】1) ブラームス:ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.77~クリスチャン・フェラス(ヴァイオリン)ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団[録音]1954年4月, ウィーン楽友協会, 2) ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調Op.26*~ゲオルク・クーレンカンプ(ヴァイオリン)チューリヒ・トーンハレ管弦楽団[録音]1947年1月、チューリヒ放送スタジオ
【CD6】メンデルスゾーン:1) 序曲「フィンガルの洞窟」Op.26, 2) 序曲「美しいメルジーネの物語」Op.32, 3) 序曲「リュイ・ブラース」Op.95, 4) 序曲「静かな海と楽しい航海」Op.27~ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団[録音]1954年4月, ウィーン楽友協会、ウェーバー:序曲「アブ・ハッサン」*~ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団[録音]1948年3月
【CD7】1) モーツァルト:交響曲第35番ニ長調K.385「ハフナー」, 2) シューベルト:交響曲第8番ロ短調D.759「未完成」~ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団[録音]1956年6月, ウィーン楽友協会, 3) シューマン:「マンフレッド」序曲Op.115*~ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団[録音]1948年5月、ロンドン、キングズウェイ・ホール
【CD8】シューマン:1) 序曲、スケルツォとフィナーレOp.52, 2) 交響曲第2番ハ長調Op.62, 3) 交響曲第3番変ホ長調Op.97「ライン」~パリ音楽院管弦楽団[録音]1954年6月, 1952年6月, 1953年6月, パリ、メゾン・ドゥ・ラ・ミュチュアリテ
【CD9】チャイコフスキー:1) イタリア奇想曲Op.45, 2) 組曲第3番ト長調Op.55より第4楽章主題と変奏~パリ音楽院管弦楽団[録音]1952年6月, パリ、メゾン・ドゥ・ラ・ミュチュアリテ
【CD10】*ワーグナー:1) 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より前奏曲, 2) 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より愛の死, 3) 楽劇「神々のたそがれ」より夜明けとジークフリートのラインへの旅, 4) 楽劇「神々のたそがれ」よりジークフリートの死と葬送行進曲」~パリ音楽院管弦楽団[録音]1954年6月, パリ、メゾン・ドゥ・ラ・ミュチュアリテ
【演奏】カール・シューリヒト(指揮)
全てモノラル録音
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2017年01月27日 00:00