インテリ伊達男ラッパー〈ジデーナ〉デビュー

ナイジェリア育ちのアメリカ人ラッパー、ジデーナ。ジャネール・モネイ率いるWonderland Recordsから2015年にリリースしたシングル「Classic Man」は、2016年のグラミー賞最優秀ラップ楽曲賞にノミネートされ、またこの曲は後にケンドリック・ラマーをフィーチャーして大ヒット。以来注目を集める中、2016年年末のBETヒップホップ・アワーズで披露した圧巻のパフォーマンスがトドメとなり、いよいよ待望のファースト・アルバムがリリース。

父の故郷ナイジェリアで幼少期を過ごし、アメリカに渡った後、高校生時代にヒップホップ・アーティストとしてレコード会社と契約の話が上がったが、名門スタンフォード大学への進学を理由に辞退。しかし2015年にジャネール・モネイが主宰するWonderland Recordsとの契約に至った。メロディックな「Classic Man」ではシンガー・ソングライターとしての顔をのぞかせたが、ラッパー以外にもプロデューサーとして、また音楽に留まらずファッションやカルチャー全般に訴求できる才能の持ち主として、様々な方面でのアイコンとしても活躍している。

今作のリード曲となる「Long Live The Chief」は、ブラック・アメリカンのアイデンティティを強く打ち出したラップが印象的。「ケンドリック・ラマーの詞的洞察を兼ね備えた、アンドレ3000のミレニアル・ヴァージョン」と評される音楽性そのものだ。人気はアフリカにも飛び火しており、全大陸制覇できる新世代ラッパーだ。