フィンランドの作曲家カレヴィ・アホの協奏曲&室内楽作品集(SACDハイブリッド)
カレヴィ・アホは、フィンランド南部のフォルッサ生まれ。シベリウス・アカデミーでラウタヴァーラ、ベルリンのボリス・ブラッハーに作曲を学びました。《虫の生活》をはじめとする5曲のオペラ、16曲の交響曲など、大規模な管弦楽作品と、室内楽、声楽のための作品を中心とする作曲活動を行っています。
《ソプラノ・サクソフォーンと室内管弦楽のための協奏曲》は、2016年までにアホが完成させた28曲の協奏曲のひとつ。ラップランド室内管弦楽団がアンデシュ・パウルソンのために委嘱、2014年秋から2015年の2月にかけて作曲されました。「ソプラノ」の誘いかけるような旋律をもつ長い序奏に始まる〈インヴォカティオ(祈り)-プレスト-カデンツァ〉、「ネバーエンディング」の旋律が「神秘」を語る〈ミステリオーゾ、ラルゴ〉、「ヴィルトゥオーゾ」のパッセージから「沈黙」へと消えゆく〈アレグレット・マルカート-プレスト-クワジ・エピローゴ〉の3楽章構成です。
ソリストのアンデシュ・パウルソン(1961–)は、スウェーデンのサクソフォーン奏者です。マンハッタン音楽学校、ストックホルムの王立音楽大学、ボルドーの音楽院で学び、クラシカル、ジャズ、ワールド・ミュージックのプレーヤーとして活動。珊瑚礁と熱帯雨林を保護する基金に捧げられた合唱曲《ダニュガン・サンクチュアリ》などの作曲でも知られます。彼はソプラノサックスのトップランナーと目され、アホの作品の他、アメリカのジュディス・クラウドやスウェーデンのロルフ・マッティンソンたちも彼の楽器のために協奏曲を作曲しています。
《木管楽器とピアノのための五重奏曲》は、ドイツ、ロットヴァイル夏の音楽祭の芸術監督を務めるオーボエ奏者のインゴ・ゴリツキのために作曲された作品です。モーツァルトの《五重奏曲 変ホ長調》(K.452)と同じ「オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、ピアノ」の編成。〈トランクィッロ-アレグレット・オンデッジャンテ(やや速く、波立って)〉〈トッカータ〉〈ノクトゥルノ〉〈ブルレスコ〉の4楽章から構成されています。
《ソロ I》は、ファゴットのための《ソロ V》(BISSA-2206)など、これまでに12曲が書かれた一連の「独奏曲」の最初の作品。ゆったりした序奏につづく「プレスト」の音楽に、原始的で鋭利なリズムによる手法にストラヴィンスキーの影がうかがえる、シベリウス・アカデミーでアホが作曲とともに学んだ楽器「ヴァイオリン」のヴィルトゥオーゾ性の高い小品です。
(キングインターナショナル)
【曲目】
カレヴィ・アホ(1949–):
①ソプラノ・サクソフォーンと室内管弦楽のための協奏曲(2014–15)
②木管楽器とピアノのための五重奏曲(2013)
③ソロ I~ヴァイオリンのための(1975)
【演奏】
アンデシュ・パウルソン(ソプラノ・サクソフォーン)[1]
ラップランド室内管弦楽団[1]
ヨン・ストゥールゴールズ(指揮)[1]
ヴァイノ・ヤルカネン(ピアノ)[2]
ラップランド室内管弦楽団員[2]
マルック・モイラネン(オーボエ)[2]
ペッカ・ニスカネン(クラリネット)[2]
アンタル・モイゼル(ファゴット)[2]
イルッカ・ププッティ(ホルン)[2]
ヤーコ・クーシスト(ヴァイオリン)[3]
【録音】
①②2015年11月/コルンディ文化の家(ロヴァニエミ/フィンランド)
③2017 年4月/カレヴィ・アホ・ホール(ラハティ/フィンランド)
セッション録音
カテゴリ : ニューリリース | タグ : 高音質(クラシック) SACDハイブリッド(クラシック)
掲載: 2017年09月28日 00:00