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ファイヴ・フィンガー・デス・パンチ(Five Finger Death Punch)、7枚目のアルバム『アンド・ジャスティス・フォー・ナン』

Five Finger Death Punch

2007年にデビュー、脳まで筋肉で出来たアメリカン体育会系メタルと男泣き哀メロの緩急をつけたサウンドで、5FDPは絶大な支持を得てきた。3作目『アメリカン・キャピタリスト』(2011)以降すべてのアルバムが全米チャートTOP3入りを果たす快挙を成し遂げ、大暴れヘヴィ・ロック“アンダー・アンド・オーヴァー・イット”から内省的な“カミング・ダウン”、バッド・カンパニーの男節カヴァー“バッド・カンパニー”などは昨年リリースされたベスト・アルバム『ア・ディケイド・オブ・デストラクション』にも収録されている。

オリジナル新作としては約2年半振りとなる『アンド・ジャスティス・フォー・ナン』は通算7作目にしてバンドの集大成といえるアルバムだ。初回限定盤はいきなりボーナス・トラックで幕を開けるという掟破りの(1)“トラブル”からヘヴィネスとメロディの連打。筋肉がブチブチ音を立て、骨と骨がゴツゴツぶつかり合うサウンドには、世界のファンが5FDPに求めるすべての要素が凝縮されている。

世間のあらゆるニセモノに鉄拳制裁を食らわす(2)“フェイク”、過去の所属レーベルとの契約トラブルにまで突っ込んだ憎まれっ子人生を描いた(4)“シャム・ペイン”などのヘヴィ・ナンバーは破壊力を増している。じっくり歌い上げる哀愁チューン(5)“ブルー・オン・ブラック”や(9)“ホエン・ザ・シーズンズ・チェンジ”も男の涙腺を決壊させずにいない。

『ア・ディケイド・オブ・デストラクション』で初登場した(1)“トラブル”、そしてオフスプリングのカヴァー(12)“ゴーン・アウェイ”も追加収録。リスナーを完膚無きまで叩きのめす、強靱なアルバムに仕上げている。

第2作『ウォー・イズ・ジ・アンサー』(2009)以降すべてのアルバムを手がけてきたプロデューサーでオジー・オズボーンやロブ・ゾンビとの作業でも知られるケヴィン・チャーコが今回も登板。バンドの音楽性を知り尽くした手腕で、生の攻撃性を余すところなくえぐり出す。

ゾルタン・バソリー(ギター)がトランプ支持発言でバッシングを受け、アイヴァン・ムーディ(ヴォーカル)のアルコール問題、また過去のレーベル契約問題でリリースが遅れるなど、幾多の逆境を経てきた5FDPだが、バンド名の元ネタとなった映画「The Five Fingers Of Death」の邦題「キング・ボクサー 大逆転」のとおり、見事な大逆転を見せてくれるのが本作だ。真実の拳でメタル界をブチ抜くニュー・アルバム。この一撃こそが正義だ!初回限定盤にはボーナス・トラック3曲収録!

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タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM)

掲載: 2018年03月28日 13:46