ルーマニアの名手マルコヴィチ~幻のベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集世界初CD化!
美し過ぎるヴァイオリニスト、シルヴィア・マルコヴィチ
幻のベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集世界初CD化!
ルーマニアの美人ヴァイオリニスト、マルコヴィチ幻の録音。ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集が初のCD化!16歳からレッスンを始めたというベートーヴェンのソナタ。伴奏は90歳を超える今も現役の名手ヴァレンティン・ゲオルギュが務めます。マルコヴィチにとってはヴァイオリンの師匠の弟という御縁からのコンビネーションとなりました。マルコヴィチの音色には野性味があり、お行儀の良いだけの演奏とは正反対。自然賛歌的なベートーヴェンと申せましょう。圧巻は「クロイツェル・ソナタ」でこの長大で深刻な傑作の魅力をあますことなく聞き手に伝えます。かえすがえす残念なのは全集の完成に至らなかったことで、これは彼女が国外に移住したことに由来します。マルコヴィチの最新インタビューを交えたライナーノートも必読です。録音会場は、ブカレスト中心部に今も存在する自由新聞社の大理石ホールです。内装の美しさは神秘的で現実のものとは思えない程。丁度、オーストリア聖フロリアンの大理石の間を想像していただければ結構です。
(東武ランドシステム)
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ集
【曲目】
(1)ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調Op.12-1
(2)ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調Op.12-2
(3)ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調Op.23
(4)ヴァイオリン・ソナタ第5番ヘ長調Op.24「春」
(5)ヴァイオリン・ソナタ第7番ハ短調Op.30-2
(6)ヴァイオリン・ソナタ第8番ト長調Op.30-3
(7)ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調Op.47「クロイツェル」
(8)ヴァイオリン・ソナタ第10番ト長調Op.96
【演奏】
シルヴィア・マルコヴィチ(ヴァイオリン)
ヴァレンティン・ゲオルギュ(ピアノ)
【録音】
(1)(7)1975年4月、(2)(5)1979年12月、(3)(4)1974年7月、(6)(8)1977年1月
自由新聞社大理石ホール、ステレオ
【参考画像】ルーマニア初出盤(LP4枚)のジャケット・デザイン
シルヴィア・マルコヴィチ
1952年1月30日、ルーマニア、バカウのユダヤ系の家庭に生まれたヴァイオリニスト。8歳より生地の音楽学校でハリー・コフラーに学び、1962年と1964年にルーマニアの学生芸術祭で1位となりました。その後、ブカレストのチプリアン・ボルンベスク音楽院で、エネスコ、オイストラフの流れを汲む名教師ステファン・ゲオルギュに師事。 16歳のとき、ブルーノ・マデルナ指揮ハーグ・レジデンティ管弦楽団のコンサートに出演し、本格的にデビュー。1969年にはパリのロン=ティボー国際コンクールで1位無しの2位大賞を獲得しました。1970年にはブカレストで開催されたエネスコ国際コンクールで優勝。1971年、ロンドン交響楽団とロンドンでデビュー。グラズノフのヴァイオリン協奏曲を弾いて大成功を収めました。1975年に初来日が予定されましたが、ルーマニアからイスラエルへの国籍変更問題のため出国許可が出ず、1976年にイスラエルに移った後、1980年に初来日しました。1980年代初頭に彼女は西ドイツに定住し、そこでザールブリュッケン音楽大学の教授となり、スイスのシオンにあるティボール・ヴァルガ高等音楽院(現在はローザンヌ高等音楽院シオン校)でも教えました。近年はオーストリアのオーストリア国立グラーツ音楽大学で教授を務めています。これまでにロンドン響、フィルハーモニア管、ロイヤル・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、フランス国立管、ローマ聖チェチーリア音楽院管、ニューヨーク・フィル、シカゴ響、シンシナティ響、アトランタ響、ワシントン・ナショナル響、フィラデルフィア管などに出演。 メータ、アバド、コミッショーナ、ドミンゴ、ムーティ、マデルナ、ロストロポーヴィチ、スヴェトラーノフ、ストコフスキーなどの指揮者と共演しています。
(タワーレコード 商品本部 板倉重雄)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2019年10月29日 00:00