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ネーヴェル率いるウエルガス・アンサンブルの新録音は2019年ペンテコステ音楽祭ライヴ!『ポリフォニーの魔術』(3枚組)

ウエルガス・アンサンブル

人間の声の綾の神秘がここに。ネーヴェル&ウエルガス・アンサンブルによる、ポリフォニー音楽の粋が刻まれた最新ライヴ録音はなんと3枚組のビッグ・プロジェクト。

ベルギーの合唱団であるウエルガス・アンサンブルは、フランドル楽派の音楽の演奏・研究の権威で創設者であるパウル・ファン・ネーヴェルの指揮の下、ルネッサンス音楽を中心とした録音で現代演奏の基礎をつくったと言っても過言ではありません。

このアルバム「The Magic of Polyphony(ポリフォニーの魔術)」では、中世およびルネサンス期にヨーロッパで栄えた魔術的な声のポリフォニーの歴史を3枚組のCDセットとして、偉大な巨匠ら(ラッソス、ゴンベール、デ・ローレ、マンシクール、ド・ラ=リュー等)の作品から、不当に忘れられた作曲家による未知の作品までが幅広く収録されています。
演奏は、フランスの北東部にあるタランという小さな村で開催された、2019年ペンテコステ音楽祭(ウェルガス・アンサンブル主催の音楽祭)でのコンサートでのライヴ録音です。

CD1では、ビュノワの作品から始まり、ルネッサンスのポリフォニーの基本的構成を定義した典型的なカノンや模倣テクニックが披露されています。ほとんど忘れられている作曲家ブオノによる4声による『めでたし、海の星』、16世紀にかつてないほど極度に複雑な対位法の技巧が凝らされたメランコリックな作風ゴンベールのシャンソン、有名なド・ラ=リューによるミサ曲『御身が庇護の下に』から、14世紀と15世紀の作者不詳の作品、スペインの作曲家ホセ・デ・バケダノによる『エレミアの哀歌』が収録されています。

CD2では、最も初期のポリフォニー音楽とされる900年頃の作品からはじまります。この作品の後カンブレーでギヨーム・デュファイの師であったほとんど知られていない作曲家リシャール・ロケヴィユリの作品のほか、マブリアヌス・デ・オルト、ブルックナー、ウィレム・ケウレースの作品が含まれており、ウエルガス・アンサンブルが得意とするルネッサンス音楽に、ロマン派、現代音楽を混ぜ込んだ珍しいレパートリーを聴かせてくれます。

CD3では、ポーランドの作曲家ミコワイ・ジェレンスキの作品からはじまり、フランドルの芸術がヨーロッパの隅々まで広がっていたことを示しています。キプロスの作者不詳の『おお、イェッセの根よ』は、ポリフォニックのアイデアとして特筆する作品で、高声の2つの声部はリズミカルに独立して動くだけでなく、歌詞も異なっています。このセットの最後は、この時代だけでなく全ての時代における最も美しいポリフォニー音楽であるオルランド・ディ・ラッソの『聖金曜日のためのエレミアの哀歌』で締めくくられています。

これまで様々な作品で多面的に実証を行ってきたフエルガス・アンサンブルならではの演奏経験を生かした、数世紀にわたるヨーロッパのポリフォニー音楽の証がここに刻まれています。
(ソニーミュージック)

『ポリフォニーの魔術』(3枚組)
【収録内容】
[CD1]
1. アントワーヌ・ビュノワ(ca. 1430-1492):ロンドー『Bel Acueil』(3声)
2. ジョアンピエトロ・デル・ブオノ(ca. 1640):『めでたし、海の星』(4声)
3. ニコラ・ゴンベール(ca. 1495-ca. 1560):シャンソン『悲しき旅立ち』(5声)
4. ピエール・ド・ラ=リュー(ca. 1460-1518):ミサ曲『御身が庇護の下に』~サンクトゥス(4声)
5. 作者不詳(France, ca. 1350):狩歌『いとも甘やかなる嘆き』(3声)
6. 作者不詳(Picardy, ca. 1520):ミサ曲『主よ、われを憐れみ給え』~アニュス・デイ(8声)
7. ホセ・デ・バケダノ(1642-1711):『預言者エレミアは哀歌を歌いはじめる』(8声)
8. ホセ・デ・バケダノ(1642-1711):『預言者エレミアの哀歌』(8声)

[CD2]
1. 作者不詳(Werden Abbey, ca. 900):オルガヌム『イスラエルの民エジプトをいで』(2声)
2. リシャール・ロケヴィユ(ca. 1370-1418):『サンクトゥス』(4声)
3. ジョヴァンニ・デ・マック(ca. 1548-1624):マドリガル『私は嘆き』(5声)
4. トマ・クレキヨン(ca. 1505-1557):モテット『キリストのしもべアンドレア』(8声)
5. クロード・ル・ジュヌ(ca. 1530-1600):シャンソン『頭上のどの星も』(3声&5声)
6. マブリアヌス・デ・オルト(ca. 1460-1529):『日曜日のためのミサ』~アニュス・デイ(4声)
7. ウィレム・ケウレース(1962-):マドリガル『おお汝聞く者よ』(5声)
8. ニコラ・ゴンベール(ca. 1495-ca. 1560):『復活節のミサ曲』~アニュス・デイ(6声&8声)
9. 作者不詳(Italy, ca. 1380):バッラータ『金槌と鉄床をもって』(3声)
10. アントン・ブルックナー(1824-1896):モテット『エッサイの若枝』(4声)
11. ヤコブ・ヴィデ(ca. 1395-ca. 1441):ロンドー『わたしはとてもつらい』(3声)
12. チプリアーノ・デ・ローレ(1516-1565):『あなたはまだ望むのか、不誠実な人よ』(5, 6, 7声)

[CD3]
1. ミコワイ・ジェレンスキ(ca. 1550-1615):モテット『ラマで声が聞こえる』(4声)
2. ピエール・ド・マンシクール(ca. 1510-1564):シャンソン『金がないのは何よりつらい』(8声)
3. 作者不詳(Cyprus, ca. 1390):モテット『おお、イェッセの根よ』(4声)
4. 作者不詳(Germany, ca. 1540):シャンソン『ああエルザよ』(2声)
5. ペーテル・メーセンス(ca. 1505-1563):常動曲『御身はすべてが美しくあり給う』(5声)
6. ジャイルズ(ジル)・ジョワ(1424-1483):ロンドー『ひそかにやる分には』(3声)
7. ニコラ・ゴンベール(ca. 1495-ca. 1560):モテット『天の女王』(12声)
8. トマ・クレキヨン(ca. 1505-1557):シャンソン『来てくださらないとはなんと心残り』(5声)
9-11. オルランド・ディ・ラッソ(1532-1594):『聖金曜日のためのエレミアの哀歌』(5声)

【演奏】
パウル・ファン・ネーヴェル(指揮)
ウエルガス・アンサンブル

【録音】
2019年6月7-9日、フランス、タラン、ノートルダム教会でのライヴ

カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)

掲載: 2020年06月26日 00:00