新倉瞳/ダンツァ~人気チェリストによる「舞曲」をテーマにしたアルバム(SACDハイブリッド)
憂い溢れるチェロの音色で愉しむ、舞曲の夕べ
人気チェリスト、新倉瞳が心から慈しむ「舞曲」をテーマにしたアルバムです。民俗音楽、バレエ音楽、シシリエンヌ、ワルツ、タンゴ等々、古今東西、歴史の淘汰を受けながら連綿と受け継がれてきたクラシック音楽の「舞曲」を、新倉瞳のチェロが朗々と歌い、そしてひっそりと心に染み入るように奏でます。選りすぐりの「舞曲」の名曲を心ゆくまでお楽しみ下さい。
アルバムに寄せて 新倉 瞳
幼少期から踊ることが好きだった私は、音楽のジャンル問わず「舞曲」と名前のついた曲がかかるとだいたい身体が動き出してしまっていました。また、どんなジャンルの音楽にも、名曲には tantsndik, zingendik, redndik (イディッシュ語で踊る、歌う、話す)があると、クレズマー音楽のパイオニアであるAlan Bern(アラン・バーン)さんが教えてくださったことを最近身をもって感じていて、そして近年イディッシュ・ダンスも踊るようになり、改めて踊りと音楽の結びつきを痛感していたので、今回のアルバムを創るにあたり、テーマは「ダンスしかない!」と思いました。
三拍子の曲でも多少の揺れがあってほぼ五拍子に感じた方が踊りやすかったり、頭で理解するだけでなく身体中で感じることで、ようやくその踊りのグルーヴの波にのれるように思います。
この世に伝わる踊りは様々で、数えきれないリズムや様式があり、まだまだ私が経験したことのない踊り、知らない踊りがたくさんあります。
今回は、民俗音楽、バレエ音楽、シシリエンヌ、舞踏曲、タンゴ…各踊りの情景、薫り、匂い、色彩…イメージたっぷりで取り組み、今までの経験が活かされたこと、改めてまた勉強になることがあった時間でした。
このアルバムを聴いて頂いた皆さまと共に、優しく、激しく、切なく、フワッと一緒に踊ることができますように。
小学生の頃からの友人で尊敬するピアニストの梅村百合さん、レコーディング・チームの皆さまに心より感謝申し上げます!
<新倉 瞳(チェロ)>
桐朋学園大学音楽学部を首席で卒業、皇居桃華楽堂新人演奏会に出演し御前演奏を行う。その後スイスへ渡り、バーゼル音楽院ソリストコース・教職課程の両修士課程を最高点で修了。これまでに毛利伯郎、堤剛、ThomasDemenga、Martin Zaller(バロック・チェロ)の各氏に師事。国内外での受賞歴も多数、近年では第18回ホテルオークラ音楽賞を受賞。桐朋学園大学在学中にはEMI MusicJapan(現ユニバーサルミュージック)よりCDデビューを果たし、これまでに同レーベルから3枚のアルバム、アールアンフィニ・レーベルから2枚のアルバムが発売されている。
現在はCamerataZurichのソロ首席チェリストとしてスイスを拠点に活躍する中、ソリスト、室内楽奏者として全国各地でリサイタル、オーケストラとの共演を重ね、司会、番組ナレーション、音楽劇、演奏家のためのドレスM Maglie le cassettoのプロデュース等、活動の幅を広げ音楽の素晴らしさを広く深く伝えようとする姿勢は多くの共感を集めている。使用楽器は、宗次コレクションより貸与されたGiovanni Grancino(1694年製)。
(2020年10月現在)
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
1.シシリエンヌ 作品78 (フォーレ)
2.バレエ音楽「眠れる森の美女」 作品66 ~ 第6番 ワルツ(チャイコフスキー)
3.舞台管弦楽のための組曲 ~ ワルツ 第2番(ショスタコーヴィチ)
4.死の舞踏 作品40 (サン=サーンス)
ルーマニア民俗舞曲 (バルトーク)
5.第1曲 棒踊り
6.第2曲 腰帯踊り
7.第3曲 足踏み踊り
8.第4曲 角笛の踊り
9.第5曲 ルーマニア風ポルカ
10.第6曲 速い踊り
11.シシリエンヌ (ヘンデル)
フランス組曲 (プーランク)
12.第1 曲 ブルゴーニュのブランル
13.第2 曲 パヴァーヌ
14.第3 曲 小さな軍隊行進曲
15.第4 曲 コンプラント(嘆き)
16.第5 曲 シャンパーニュのブランル
17.第6 曲 シシリエンヌ
18.第7 曲 カリヨン(鐘)
19.スペイン舞曲 作品54 ~ 第2番 セレナーデ (ポッパー)
20.ハンガリアン・ラプソディ 作品68 (ポッパー)
21.スペイン 作品165 ~ 第2番 タンゴ (アルベニス / A.L.クリストファーソン 編曲)
【演奏】
新倉 瞳(チェロ)
梅村 百合(ピアノ)
【録音】
2020年8月27日&28日 DSD 11.2MHz(DSD 256)レコーディング