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新倉瞳/11月の夜想曲~デビュー15周年記念アルバム 新倉瞳委嘱作品集(SACDハイブリッド)


[新倉瞳 Hitomi Niikura 公式チャンネルより]


デビュー15周年記念アルバム 新倉瞳委嘱作品集(世界初演初録音)

ファジル・サイ、藤倉大、挾間美帆、佐藤芳明、和田 薫の5人の気鋭の作曲家に新倉自身が作品を委嘱、全曲世界初演という記念碑的アルバムです。
フルオーケストラによるサイの壮大な作品に始まり、塚越のマリンバ、佐藤のアコーディオン、そして林の大太鼓とチェロのデュオといったレコーディングの限界に挑んだともいえる、心震える渾身のアルバムです。
(アールアンフィニ)

【曲目】
1-5. ファジル・サイ: 11月の夜想曲 ~ チェロと管弦楽のための
1. 第1楽章 終わりのない夜の夜想曲
2. 第2楽章 孤独な夜想曲
3. 第3楽章 夜歩きの夜想曲
4. 第4楽章 心象の夜想曲
5. 第5楽章 青い夜想曲
6. 藤倉 大: スパークラー ~ チェロのための
7-10. 挾間美帆: 組曲「イントゥー・ジ・アイズ」
7. 第1曲 サンフランシスコ
8. 第2曲 デュッセルドルフ
9. 第3曲 チューリッヒ
10. 第4曲 東京
11-12. 佐藤芳明: 2つの楽器のための2つのカノン
11. 第1曲 寛容
12. 第2曲 琢磨
13. 和田 薫: 巫 ~ チェロと和太鼓のための
14. ニーグン(伝承曲)

【演奏】
新倉 瞳(チェロ)
飯森範親(指揮) 1-5
東京交響楽団 1-5
塚越慎子(マリンバ) 7-10、14
佐藤芳明(アコーディオン) 11、12、14
林 英哲(太鼓) 13、14

【録音】
2020年3月21日 東京オペラシティ(ライブレコーディング) 1-5
2021年1月23日 ハクジュホール(ライブレコーディング) 6-14

ご挨拶
今回のアルバムには、「11月の夜想曲 ~ 新倉瞳 委嘱作品集 (世界初演初録音)」というとても立派なタイトルがついているのですが、もっとシンプルに表現すると、私が強く感じた「好き」がギュッと詰まっているアルバムです。
また、今回委嘱させて頂いた作曲家の皆さまと一緒に音を奏でてくださった演奏家の皆さまは、それぞれの世界で簡単には語り尽くせない素晴らしい音楽人生を歩んでおられます。ただ、そのようなバックグラウンドとは関係なく、シンプルに「好きです!尊敬しています!」という気持ちで私はお付き合いをさせて頂いております。
時は遡り、2013年冬、スイスのチューリッヒのとある音楽カフェ・バー。
クラシック音楽の世界で育った私ですが、友人に誘われたライブで偶然聴き、第六感で「好き!!」と初めて感じ、のめり込んだ音楽がクレズマー音楽(東欧のユダヤ音楽)でした。
留学先のスイスでは、現代音楽・バロック音楽…とにかくあらゆる音楽の形態から影響を受けましたが、その中でも、クレズマー音楽から自然に学ぶことが大きく、気が付いたらクレズマーバンドのメンバーとしても活動するようになっていました。
そんな直感的に感じた「好き」に一度出逢うと、それ以降は様々な場面で自分の気持ちに素直になれ「好きなモノ」に気付けるようになりました。
そして、2016年のファジル・サイ氏との出逢いをきっかけに、サイ氏をはじめ、私が惚れ込んでいる藤倉大氏、挾間美帆氏、佐藤芳明氏、そして和田薫氏にも曲を書いて頂きたいと思い、5曲の我が子、このアルバムがオギャーと生まれることになったわけです。
時を重ねるほどに「好き」の前向きな気持ちは自身の表情や行動に表れてきていると感じております。これからもその気持ちの向かう先に、自分とその周りの人々の笑顔があるのであれば、「好き」は悔いなく伝え、行動したいと思っています。
人生一回きり、産まれてきてよかった、「あなた」と出逢えてよかった。
と、このアルバムを聴いてくださる皆さまが、皆さまのそれぞれの「あなた」を思い浮かべ、笑顔になって頂けましたら幸いです!
新倉 瞳

・ファジル・サイからのメッセージ
夜想曲とは、夜に演奏され、夜に聴かれ、夜を表現する音楽である。まずはショパンの数々の作品が頭に浮かぶ。
この《11月の夜想曲》は、特別で大切な日本の友人たちのため、彼らの東京と大阪における演奏会のために2019年秋に作曲された。11月のトルコ、イスタンブールの印象であり、秋の夜を想起させるものだ。霧が深く雨の降りしきるイスタンブールの暗い11月の夜道、まさに2019年の想い出である。新型コロナウイルスが世に現れる直前に作曲しているのだが、パンデミック、そしてそれがもたらした暗闇をこの作品は感知させる。
日本を代表する指揮者の一人で敬愛する友であるマエストロ・イイモリ(飯森範親氏)は、私の作品を数多く日本およびヨーロッパで指揮している、音楽言語を極めてよく理解している音楽家だ。また、若い世代の中でも特に才能があり芸術性にあふれたチェリストのヒトミ(新倉瞳)が初演してくれた。私にとって大きな喜びであり、誇りに思う。
《11月の夜想曲》初演および初録音はパンデミックのさなかに行われた。この見事な録音を通じ、この作品の独創性のみならず類まれな演奏をご堪能いただければ幸いだ。

・藤倉 大からのメッセージ
新倉瞳さんから連絡をもらったのはいつだったかな。かなり熱いメッセージを頂いたのだが、実際お会いするまでには何年かかかった。今回新作の依頼を受けた。ドレスのプロデュースなどをなさる瞳さん。お姫様的なイメージがある。ぱっと僕が思ったのは、実際誰も見ていない自宅で、そんな人が、ふてくされていたら面白いなと思った。どうやったら不良っぽい感じを醸し出せる作品が作れるか、チェロ的でないチェロの曲はどうやったらできるか、が今回の目標だった。半年以上かけて楽譜を書いては瞳さんに弾いてもらった自撮りの動画を送ってもらい、何度も書き直して作っていった。

・挾間美帆からのメッセージ
学生の頃から同世代アーティストで一目置く存在、それが私の「新倉瞳」との出会いだった。互いに留学を経て音楽活動をしていた数年前に再会し、すっかり意気投合。海外暮らしの苦楽話で盛り上がっていると、実は彼女が幼少期から多くの国で育ってきたことを知った。彼女のリクエストを加味しながらも、彼女の経験談を沢山聞いて同世代なりに消化したうえで、私なりに彼女の「瞳」を通した都市の姿が反映する音を紡いだ。

・佐藤芳明からのメッセージ
2つの楽器、2人の演奏者が刺激し合いながら高みを目指す、というのがイメージの出発点。『寛容』では人を受け入れる心の有り様を、『琢磨』では互いに切磋琢磨する姿を、《カノン》という形式に落とし込んでみた。共に取り組むバロック音楽の多声的なスタイルの他に、楽器を限定しなくとも音楽が成立する懐の深さに憧れ、チェロとアコーディオン以外の編成でも演奏可能。今後も色々な場面で演奏される曲になれば嬉しい限り。

・和田 薫からのメッセージ
この作品は、チェリスト新倉瞳さんからの委嘱で、和太鼓の林英哲さんとのデュオ曲として2020年夏より作曲に着手、11月に脱稿しました。全体は「序」「祷」「乱」「舞」の4部分で構成され、それぞれチェロの謡曲的主題に対して和太鼓が阿吽の呼吸で応えるよう企図しています。タイトルの「巫(かんなぎ)」の由来は、上の線を天、下の線を地とし、天から地への降臨を人ふたりで祝舞している様を表出しており、作品の構造自体を象徴しています。

■新倉 瞳(チェロ) Hitomi Niikura, Cello
幼少期をアメリカとドイツで過ごし、8歳よりドイツでチェロを始める。桐朋学園女子高等学校音楽科を経て桐朋学園大学音楽学部を首席で卒業、卒業時には皇居桃華楽堂新人演奏会に出演、御前演奏を行う。その後、バーゼル音楽院ソリストコース・教職課程の両修士課程を最高点で修了。これまでにJan Vymyslický、毛利伯郎、堤剛、Thomas Demenga、Martin Zeller (バロック・チェロ)の各氏に師事。室内楽を徳永二男、原田幸一郎の各氏に師事。2014年よりCamerata Zürichのソロ首席チェリストをつとめている。
2003年いしかわミュージックアカデミーにてIMA音楽賞を受賞し、アメリカ/アスペン音楽祭に奨学生として参加。2007年第28回霧島国際音楽祭にて霧島国際音楽祭賞を受賞。2009年ルーマニア国際音楽コンクール室内楽部門にて第1位を受賞。2015年スイスのベルンで開催されたOrpheus Kammermusikwettbewerbにて入賞。同年、ポルトガルのリスボンで開催されたInternacional Verão Clássico 2015チェロ部門にて第1位を受賞。2016年5月スイス/ルツェルンの高級時計ブランドCarl. F. BuchererよりPathos WomanAwardを受賞。2017年第18回ホテルオークラ音楽賞受賞。第19回(2020年度)齋藤秀雄メモリアル基金賞チェロ部門受賞。
2006年8月桐朋学園大学在学中には、EMI Music Japan(現ユニバーサル・ミュージック)より「鳥の歌」をリリースし、紀尾井ホールにてデビュー。これまでにEMI Music Japanから3枚のアルバム、Live Notesよりピアニスト佐藤卓史とのライブCD「ブラームス&ラフマニノフ:チェロ・ソナタ」、F.S.L.レーベルよりアコーディオニスト佐藤芳明とのDuo「魂柱と鞴」、アールアンフィニ・レーベルより「ダンツァ」や、高橋多佳子、礒絵里子との「椿三重奏団」を含む4枚のアルバムが発売されている。
また、チューリッヒを拠点とする人気クレズマーバンドCheibe Balaganのメンバーとして2014年から参加し、様々な音楽祭に招かれ、音楽の幅を広げている。現在はスイスを拠点に活躍する中、ソリスト、室内楽奏者として全国各地でリサイタル、オーケストラとの共演を重ね、司会、番組ナレーション、音楽劇、演奏家のためのドレスM Maglie le cassettoのプロデュース等、活動の幅を広げ音楽の素晴らしさを広く深く伝えようとする姿勢は多くの共感を集めている。使用楽器は、宗次コレクションより貸与されたGiovanni Battista Grancino(1694年製)。
https://www.hitominiikura.com

■アールアンフィニ(Art Infini)について
アールアンフィニ・レーベルは、株式会社ソニー・ミュージックダイレクトと、株式会社ミューズエンターテインメントとのパートナーシップによるクラシック専門レーベルです。世界的に活躍する才能溢れるアーティストのCDアルバムを定期的に制作、リリースしています。
アールアンフィニはフランス語で「永遠の芸術」の意味。一貫してマーケットに迎合することなく、アーティストが表現したいことを純粋に追求しています。制作過程においては、全てのアルバムにおいてDSD方式でプロダクションされたマスターを使用、スイス・マージングテクノロジー社のDAWピラミクスにてDSD11.2MHz、またはDXDフォーマットでのレコーディングを行っています。マイクロフォンが捉えた信号を極力劣化させ
ないようラインの最短化を図り、ステージ上のマイクロフォンの直近で収録されたアナログ信号をDSD、DXD信号に変換後、RAVENNA(AES67)で伝送しています。また動的リスクを回避するため記録媒体は厳選されたSSDを使用、さらにレコーディング~編集~マスタリングまで全ての電力は、高品位なリチウムイオンバッテリーで供給されます。アナログ、デジタル領域共に、まさに究極とも言える高品位化を実現しています。

カテゴリ : ニューリリース | タグ : SACDハイブリッド(クラシック) 高音質(クラシック)

掲載: 2021年09月15日 15:00