ヴォーチェス・スアーヴェスによるシュッツ:“音楽による葬送”、およびその他の17世紀ドイツ葬送音楽
[Outhere Music 公式チャンネルより]
欧州古楽界の最前線をゆくバーゼルの俊才たちが刻んだ、ドイツ・バロックの傑作
シュッツの代表作のひとつ『音楽による葬送』を軸として、初期ドイツ・バロックの多声作品を集めたArcanaならではのプログラム。
バーゼル・スコラ・カントルム出身の精鋭が集うヴォーチェス・スアーヴェスによるアルバムです。
『音楽による葬送』は1636年、ザクセン選帝侯宮廷の音楽監督としてキャリアを重ねていたシュッツが手がけた、ドイツ語の声楽曲。彼の故郷ケストリッツの領主で、生涯親交のあった人文主義者ハインリヒ・ロイスに捧げられたこの傑作は、ブラームスの『ドイツ・レクィエム』の先駆としても早くから注目されてきました。
ヴォーチェス・スアーヴェスはこれを17世紀ドイツ語圏の音楽の中に改めて置くことで、新旧世代の間でのシュッツの音楽の特性を浮き彫りにしてゆきます。世紀初頭のシャインから数十年後のローゼンミュラーまで、「バッハ以前」のドイツ宗教音楽の充実が「葬送」というテーマの中でありありと実感される選曲と言えるでしょう。歌手それぞれが音楽の構成をよく踏まえて声を重ねてゆくことで充実した響きが生まれており、音楽学的知見を紐解いた解説とともに、その作品美を堪能する「欧州古楽最前線」を聴く一枚です。
(ナクソス・ジャパン)
『シュッツ:“音楽による葬送”、およびその他の17世紀ドイツ葬送音楽』
【曲目】
ヨハン・ヘルマン・シャイン(1586-1630):
1. わたしは黙っていよう、この口を閉じていよう (1617)
アンドレアス・グライヒ(1622-1693):
2. 死せる者たちは幸いである (1651)
ゼバスティアン・クニュプファー(1633-1676):
3. わたしを見つけてください、神よ (1674)
4-6. 音楽による葬送 作品7(SWV 279-281) (1636)
4. ドイツ語による葬送ミサの形をとったコンツェルト
5. モテット
6. シメオンの歌
ヨハン・シェッレ(1648-1701):
7. わたしは知っています、罪を贖ってくださるかたが生きていると (1684)
ヨハン・ゲオルク・エーベリング(1637-1676):
8. あなたの庭で過ごす一日は、他のところで千日過ごすより素晴しい (1666)
ヨハンネス・ケッセル(生歿年不詳、17世紀に活躍):
9. わたしは待ち望んでいます、旅立ちのときを (1657)
ヨハン・ローゼンミュラー(1617-1684):
10. では、それは何なのでしょう――人間の生とは (1654)
【演奏】
ヴォーチェス・スアーヴェス(古楽器使用)
ヨハンネス・シュトロープル(オルガン、指揮)
【録音】
2020年7月7-10日
ボスヴィル芸術館(旧ボスヴィル教会)、スイス
[日本語解説、歌詞訳付き]
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2020年12月22日 00:00