WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.135
ボビー・ティモンズ『ボビー・ティモンズ・トリオ・イン・パーソン』(1961)
ボビー・ティモンズ(p)
ロン・カーター(b)
アル・ヒース(ds)
1961年10月1日、ニューヨーク、ヴィレッジ・ヴァンガードにてライヴ録音
曲目(LP盤発売時):
01.枯葉
02.ソー・タイアード
03.グッドバイ
04.ダット・デア(テーマ)
05.ポプシー
06.時さえ忘れて
07.朝日のようにさわやかに
08.ダット・デア(テーマ)
【アルバム紹介】
1.ボビー・ティモンズによる名門ジャズ・クラブ、ヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ作
2.アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの代表曲“モーニン”の作曲者
3.ベースは若きロン・カーター、ドラムスはアルバート・ヒースというメンバーでの快演
NYの名門ジャズ・クラブ、ヴィレッジ・ヴァンガード。今から60年前、1961年6月25日に行われたパフォーマンスを収録したのが前回ご紹介しましたビル・エヴァンスの傑作ライヴ盤でした。
その3ヵ月少し後に同じジャズ・クラブでライヴ・レコーディングされたのが、ボビー・ティモンズのこのライヴ・アルバムです。
ファンキーなフィーリングを持ったピアニストであるボビー・ティモンズは、アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズの代表曲“モーニン”の作曲者であり、自身のソロ・リーダー作の中でも取り上げています。
本作はピアノ・トリオ編成でスタンダード曲と自身のオリジナル曲での名演を聴かせており、ベースには若きロン・カーター、ドラムスはアルバート・ヒースというメンバーでの快演になっています。ティモンズはアート・ブレイキーのもとを一度出戻りながらも60年代に入って再び辞めており、その後に始めた自身のレギュラー・トリオが本作でのトリオでした。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ファンキーな演奏なのかと思いきや、やはりそこは“枯葉”。
ティモンズ独特のファンキーさを前面に出した演奏かというと、イントロはなんとなくそんな風に思わせられるものの、テーマに入ったらすっかり“枯葉”。ジャズのスタンダード・ナンバーとしては定番中の定番曲。
ここでの演奏は意外なほどのオーソドックスさでアプローチしているものの、ピアノ・ソロ部分になるとところどころ、ティモンズのソウル・ジャズ・テイストがチラホラ見え隠れする、という感じで後半はブロックコード攻めで聴かせます。
やがて一瞬テーマへ戻るかと思いきや、ピアノとベースがフレーズ遊びのような展開を見せ、少し間を置いたところで、再びティモンズのソロが始まります。
その後テーマへと回帰しつつ、長引かせることなく、ピアノとベースが静かに掛け合いをしつつエンディング。
60年代初頭のニューヨークの秋の気配が感じられる。、そんな名ライヴ盤と言えます。
国内盤SHM-CD(一般普及盤)
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2021年07月02日 10:00