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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.169

ディジー・リース『サウンディン・オフ』(1960)

DR

ディジー・リース(tp)
ウォルター・ビショップJr.(p)
ダグ・ワトキンス(b)
アート・テイラー(ds)

1960年5月12日、ニュージャージーにて録音

曲目:
01.ア・ゴースト・オブ・ア・チャンス
02.ワンス・イン・ア・ホワイル
03.エブ・パッブ
04.イエスタデイズ
05.わが恋はここに
06.ブルー・ストリーク

【アルバム紹介】
1.ジャマイカ生まれの実力派トランペッターのブルーノート・リーダー作
2.ハード・バップ・スタイルが光る一枚
3.編成はワン・ホーン・カルテット、名手ぞろいのメンバーによるサポートも魅力

モダン・ジャズ全盛期のブルーノート・レーベルは数々の名プレイヤーが揃ったレーベル、というイメージが強いですが、中にはちょっと存在が地味なプレイヤーもいました。
今回ご紹介するトランペッター、ディジー・リースはまさにそんな一人では、と思われます。

1931年、ジャマイカ生まれで、10代からプロ活動を開始し、50年代半ばから後半にかけて主にイギリスで活躍し、1959年にはニューヨークに渡って、多くのミュージシャンたちと共演を重ねました。
本作はそんな時期にレコーディングされたハード・バップ・スタイルが光る一枚です。

編成はワン・ホーン・カルテットなので、ディジー・リースがブルーノートでレコ―ディングした4枚のアルバム中、もっとも本人のプレイがリアルに伝わる内容で、楽曲はスタンダード中心、3曲目と6曲目はリース自身のオリジナル曲になっています。ピアノのウォルター・ビショップJr.ら、名手ぞろいのメンバーによるサポートも聴きどころです。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
歌心たっぷりのバラード・ナンバー“ア・ゴースト・オブ・ア・チャンス”。

スタンダード・バラードとして知られるこの曲は天才トランペッター、クリフォード・ブラウンの名演を思い浮かべますが、ここでのディジー・リースのプレイも歌心がたっぷりで、味わい深い名演になっています。
情感を交えたフルトーンで、ロマンティックなテーマ・メロディを奏でてゆき、ソロでも、表現力たっぷりのフレージングで魅了してゆきます。目をつぶって聴いていると、満点の星が広がっているようなそんな錯覚さえおぼえる演奏です。
本作はディジー・リースにとってブルーノートでの最後のレコーディングとなったアルバムで、その後1962年にプレスティッジでの初リーダー作をリリースするものの、リーダー・セッションはガクンと減っていきます。サイドマンとしてはディジー・ガレスピーやデクスター・ゴードンとレコーディング作などが存在しますが、キャリアの中ではブルーノート時代がそのプレイヤー気質を存分に知ることができるアルバムだといえそうです。
アーティストのネーム・ヴァリューだけでアルバムを選んで聴こうとすると、本作のような隠れ名盤をついついスルーしてしまいがちです。この機会にぜひ聴いてみて欲しい一枚です。

国内盤CD

 

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タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2022年03月11日 10:00