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ガエタン・ジャリ率いるマルグリット・ルイーズ(合唱&古楽器アンサンブル)によるヘンデル:シャンドス・アンセム

ヘンデル

ヴェルサイユの響きとヘンデル作品の思わぬ相性!フランス最前線の俊才たちによる傑作曲群

イタリアからドイツに戻った若きヘンデルは、ハノーファー宮廷での仕事を経て渡英、1710年代を通じて王都ロンドンの人々の心を着実に掴んでゆきました。その過程で、1717年からしばらく彼に作曲の場を与えたのが裕福な貴族のシャンドス公。当時ロンドン郊外に設営中だった公の邸宅キャノンズには、音楽演奏に向いた大広間や礼拝堂も徐々に調えられ、ヘンデルはそうした場で公が聴き楽しめる音楽を続々と作曲します。こうして仕上がった作品群の中でも、10曲あまりが残されている中規模声楽曲の数々は『シャンドス・アンセム』と総称され、イタリア風の声楽様式で英語の詩句があざやかに歌い上げられるその音楽内容は作曲者の歿後、19世紀に楽譜刊行され世界的に知られるようになりました。
ヴィオラを省いた弦楽編成、アルトを省いた合唱が独特の平明な構成の面白さに繋がるこれらのアンセムに潜む、室内楽と大規模合唱の間をゆく独特の味わいを、ここではヴェルサイユ宮殿に集うフランス最前線の古楽アンサンブルがじっくり解釈。
そもそもヘンデルの音楽はイタリア様式を下地にしていながら、序曲や舞曲などの形式、オーボエ群を活かした楽器編成などフランスからの影響も見られ、ガエタン・ジャリ率いるマルグリット・ルイーズの演奏解釈はそうした一面を玄妙な響きで浮き彫りにしてゆく味わい深さもあります。
伸びやかなバロックオーボエのソロやテオルボを組み込んだ通奏低音の多彩さもさることながら、各パート5~6人からなる3声の合唱が織り上げてゆく一体感に満ちた歌唱も見事なもの。
ヴォランタリーやシャコンヌでは指揮者ジャリのオルガン独奏で、18世紀オリジナルの形に復元されたヴェルサイユ王室礼拝堂の銘器の美音も味わえます。逞しさよりも優雅さが際立つヘンデルの一面にはっとさせられる新録音です。
(ナクソス・ジャパン)

【曲目】
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1759):
1-9. シャンドス・アンセム第1番「主に向かって喜ばしき声をあげよ」HWV 247
10-13. ヴォランタリー第3番 イ短調*
14-21. シャンドス・アンセム第4番「主に向かって新しい歌を歌え」HWV 249b
22. シャコンヌ ト短調 HWV 486*
23-30. シャンドス・アンセム第6番「鹿が清水を求めて喘ぐように」HWV 251b

【演奏】
マルグリット・ルイーズ(合唱&古楽器アンサンブル)
ガエタン・ジャリ(オルガン…*ソロ、指揮)

ソリスト:
フロリー・ヴァリケット(ソプラノ)
ニコラス・スコット(テノール)
ヴィルジル・アンスリ(バス)

【録音】
2021年5月22-25日 ヴェルサイユ宮殿王室礼拝堂

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2022年07月15日 00:00