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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.214

シャーリー・ホーン『ヒアズ・トゥ・ライフ』(1992)

SH

シャーリー・ホーン(vo,p)
チャールズ・エイブルズ(b)
スティーヴ・ウィリアムス(ds)
ウィントン・マルサリス(tp) on 04、09
ジョニー・マンデル(arr. conductor)
etc.

曲目:
01.ヒアズ・トゥ・ライフ
02.カム・ア・リトル・クローサー/ワイルド・イズ・ザ・ウィンド
03.ハウ・アム・アイ・トゥ・ノウ?
04.ア・タイム・フォー・ラヴ
05.ホエア・ドゥ・ユー・スタート?
06.ユー・アー・ニアラー
07.リターン・トゥ・パラダイス
08.イズント・イット・ア・ピティ?
09.クワイエットリー・ゼア
10.イフ・ユー・ラヴ・ミー (愛の讃歌)
11.サマー (エスターテ)

【アルバム紹介】
1.ヴォーカリスト、ピアニストとして類まれな才能を誇ったシャーリー・ホーン
2.ストリングス・オーケストラをバックにしたバラード・テイストな逸品
3.アレンジと指揮は名作編曲家として名を馳せたジョニー・マンデル

90年代の名盤を特集、今回はヴォーカリスト、ピアニストとして類まれな才能を誇ったシャーリー・ホーンの傑作を取り上げます。

マイルス・デイヴィスやクインシー・ジョーンズから高く評価されたシャーリー・ホーンはベースとドラムスのトリオ編成でのピアノ弾き語りスタイルが特徴のアーティストでしたが、本作はそこに加えてストリングス・オーケストラをバックにしており、広がりのあるサウンドで聴かせるバラード・テイストな逸品です。

オーケストラのアレンジと指揮を担っているのは、名作編曲家として名を馳せたジョニー・マンデル。映画『いそしぎ』のテーマ曲“シャドウ・オブ・ユア・スマイル”や映画『M★A★S★H マッシュ』のテーマなどが代表曲として知られています。
楽曲はキー・トラックであるタイトル・チューン“ヒアズ・トゥ・ライフ”で始まり、ジョニ―・マンデル作曲の3曲(04、05、09)を含み、エディット・ピアフの“愛の賛歌”やイタリアン・バラード・ソング“エスターテ”のカヴァーで締めくくるドラマティックな構成になっています。
また、ゲストでトランペッターのウィントン・マルサリスが2曲(04、09)で参加していますが、これは本来予定されていた、親交のあったマイルス・デイヴィスが亡くなったため、その代わりに、という逸話が残っています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
美しく、ノスタルジックなタイトル曲“ヒアズ・トゥ・ライフ”。

本作のレコ―ディングはまず、シャーリー・ホーンのレギュラー・トリオでの演奏が最初に行われ、そこにクリックに合わせてジョニー・マンデルのアレンジによるオーケストレーションが被せられたと言われていますが、この曲と5曲目の“ホエア・ドゥ・ユー・スタート?”だけはシャーリー・ホーンがピアノは弾かず、単独でオーケストラとレコーディングしたものになっています。
センシティヴで美しいオーケストレーションをバックに、シャーリー・ホーンが切々と歌い上げる様は今まで見たことのないような素晴らしい景色が眼前に広がっているような印象をもたらします。
他の曲で聴けるシャーリー・ホーンのピアノも捨てがたい魅力があります。
日常の中で、ノスタルジックな気分に浸りたい時などに聴きたくなるアルバムです。また全曲聴き終えた後に残る静かな余韻のような感覚が本作の奥深さを伝えています。

国内盤SHM-CD

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2023年02月03日 10:00