アダム・フィッシャーによるハイドンの後期交響曲の再録音がスタート!デンマーク室内管~『後期交響曲集 第1集~交響曲第93番-第95番』
アダム・フィッシャー、ハイドンへ還る。後期交響曲の再録音がスタート!
ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームスの番号付きの全交響曲を録音した唯一の指揮者アダム・フィッシャー。デンマーク室内管弦楽団の首席指揮者就任から25年となる記念の年に彼が世に問うのはハイドンの後期交響曲シリーズの再録音です。第1集はロンドン交響曲から人気作「驚愕」を含む3曲を収録。旧盤との違いも大きく、全編通じてエキサイティングかつ魅力的な音楽が展開し、今後への期待が大いに募ります。
アダム・フィッシャーはハイドンの全交響曲を演奏するためにオーストリア・ハンガリー・ハイドン管弦楽団を組織し、ハイドンゆかりのエステルハージ宮で1987年から2001年にかけてNimbusレーベルに録音を行いました。それらは50人ほどに絞り込まれたオーケストラによる見通しの良いサウンドと、緩急のコントラストが利いた解釈、録音会場の音響を生かしたまろやかなサウンドが印象的に残るものです。
デンマーク室内管との再録音はそれらに比べると、更にシェイプアップ、テンポアップされており、ダイナミックスの切り替えやアクセントも鮮烈になっています。流れるようなスピード感のあるフレージングには古楽演奏の影響が聞き取れますが、オーケストラの伸縮自在な演奏ぶりからは、このスタイルが彼らのスタンダードとなっていることがうかがわれます。弓使いにも工夫を凝らし、通常よりも生き生きとした効果が得られるためのリコシェ(跳弓)などのテクニックを意図的に使っています。
新旧比較で顕著な違いがあるのはメヌエット楽章で、恰幅の良い旧盤に対して新盤のステップの速さと滑らかさは別次元。他にも第93番の最終楽章は「これぞプレスト!」と快哉を叫びたくなる疾走感、第94番の第2楽章冒頭での無音かと思えるほどの再弱音から一転しての強烈な一撃はまさに「驚愕」。原盤解説で「コンサートと同じようにレコーディングでも聴衆を魅了することを願っています」とアダム・フィッシャーが語るように、ライヴ感に満ちた演奏で、大注目のプロジェクトです。
演奏時間比較(旧盤/新盤の順) 第93番:24'12/20'35、第94番:23:43/21'12、第95番:21:16/18:32
(ナクソス・ジャパン)
[国内仕様盤は日本語解説付き]
※国内仕様盤には鈴木淳史氏による日本語解説が付属します。
『ハイドン:後期交響曲集 第1集 交響曲第93番 - 第95番』
【曲目】
ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809):
1-4. 交響曲第93番 ニ長調 Hob.I:93(1791)
1. I. Adagio - Allegro assai
2. II. Largo cantabile
3. III. Menuetto - Trio
4. IV. Finale: Presto ma non troppo
5-8. 交響曲第94番 ト長調 「驚愕」 Hob.I:94(1791)
5. I. Adagio cantabile - Vivace assai
6. II. Andante
7. III. Menuett - Trio
8. IV. Finale
9-12. 交響曲第95番 ハ短調 Hob.I:95(1791)
9. I. Allegro
10. II. Andante
11. III. Menuetto - Trio
12. IV. Finale: Vivace
【演奏】
アダム・フィッシャー(指揮)
デンマーク室内管弦楽団
【録音】
2022年9月2、5、日、11月14日
コペンハーゲン、王立デンマーク音楽アカデミー コンサート・ホール
総収録時間:60分
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2023年06月30日 00:00