ポシュナー/#bruckner2024プロジェクト~第15弾 ブルックナー: 交響曲第1番(第2稿/ブロシェ版)、スケルツォ(1865年/グランジャン版)
CAPRICCIOレーベルと国際ブルックナー協会の主導で、ブルックナーの生誕200年にあたる2024年中にブルックナーの全交響曲のすべての稿(バージョン)を録音する企画 「#bruckner2024」の第15弾。
交響曲作家ブルックナーのデビュー作「第1番」をめぐる興味深いアルバム。最後に収められた1865年作のスケルツォは第1番のスケルツォ楽章として作曲されたと見られますが、後に差し替えられたため、演奏・録音の機会に恵まれませんでした。主部は第1稿、第2稿のスケルツォとは別物ですが、トリオの素材は共通しており、ブルックナーの音楽的成長を知る上で興味深いものです。ここでは1995年に出版された楽譜を使用。もはやブルックナーのスペシャリストの感のある当コンビの録音は貴重な資料となります。交響曲第1番は1865年に着手され、翌66年に完成(第1稿)、68年にリンツで初演された後、1877年以後数回の改訂を経て91年に改訂版(第2稿)が完成しました。2つの稿の間には基本的な素材や構造の面では大きな違いはありませんが、第8番までの経験をふまえて世に出された第2稿ではオーケストレーションがより熟達し、アーティキュレーションやフレーズは理解しやすいように整えられています。この点をブルックナーのオリジナルの発想が薄められたと見るか、完成度が高められたと取るか、評価の分かれるところですが、作曲家が公認して出版した演奏会用バージョンとしての第2稿の地位が揺らぐことはなく、両者を比べて楽しみたいところです。
(ナクソス・ジャパン)
[日本語解説付き]
※国内仕様盤には石原勇太郎氏(音楽学/国際ブルックナー協会会員)による日本語の解説が付属します。
【曲目】
アントン・ブルックナー(1824-1896):
交響曲第1番 ハ短調(第2稿/ギュンター・ブロシェ校訂版)
1. I. Allegro
2. II. Adagio
3. III. Scherzo: Lebhaft, Trio: Langsam
4. IV. Finale. Bewegt, feurig
5.スケルツォ(1865年/ヴォルフガング・グランジャン校訂版)
【演奏】
リンツ・ブルックナー管弦楽団
マルクス・ポシュナー(指揮)
【録音】
2023年2月7-9日(交響曲)、2024年1月8日(スケルツォ)リンツ、ムジークテアター・リハーサルホール
総収録時間:52分
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ANTON BRUCKNER
掲載: 2024年03月20日 12:00