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〈タワレコ限定・高音質〉小澤征爾『オーケストラル・スペース』『黒人霊歌集/ミュージカル・ハイライト』(SACDハイブリッド)

小澤征爾

タワーレコード・オリジナル企画盤
VICTOR x TOWER RECORDS
 <小澤征爾 追悼企画>世界初SACD化
貴重なビクターへのステレオ録音を2種に集成
1.オーケストラル・スペース1966 & 1968(2枚組)
小澤征爾、若杉弘&読売日本交響楽団、高橋悠治、一柳慧、秋山和慶、日本フィル他
~武満徹と一柳慧の企画・構成による音楽祭「オーケストラル・スペース」のLP3枚分のライヴを2枚に集成
2.黒人霊歌集/ミュージカル・ハイライト
小澤征爾&東京混声合唱団、原信夫とシャープ&フラッツ

~若き精鋭として活躍の一途をたどる最中の小澤征爾指揮による超稀少な合唱作品2種を最新復刻


今回の復刻にあたり、SACD層はオリジナルのアナログ・マスターテープからダイレクトにDSD化。CD層はDSDでデジタル化後、出来るだけ工程ロスを減らしたピュアな方法で44.1kHzに変換してマスターを作成。
2024年にビクタースタジオでオリジナル・アナログ・マスターテープからデジタル化を行いマスタリング
<仕様>:SACDハイブリッド、スリムケースとジュエルケース仕様、盤面緑色仕様、オリジナル・ジャケット・デザイン採用(一部)、各新規序文解説とLP初出時の筆者による解説も一部復刻、英文歌詞付(2)
永久保存盤  最新復刻 各税込 5,830円(1)、2,970円(2)
音源:ビクターエンタテインメント
マスタリング・エンジニア:山崎 和重氏(FLAIR MASTERING WORKS)
2024年8月16日(金)リリース予定

企画・販売:TOWER RECORDS
制作・発売:株式会社JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント

2022年9月にスタートしたビクター所蔵のアナログ音源のSACD化企画、最新第5弾をリリースします。今回の発売は、2024年2月に亡くなった小澤征爾氏の指揮活動の原点とも言える貴重な合唱作品2種を1枚に収めたアルバム「黒人霊歌集/ミュージカル・ハイライト」と、武満徹と一柳慧が企画・構成し1966年5月に開催された現代音楽の音楽祭「オーケストラル・スペース1966」の2枚分のライヴ録音と1968年6月の「オーケストラル・スペース」第2回現代音楽祭の1枚のライヴを2枚組に集成した各SACDハイブリッド盤2種をリリースします。この時に演奏したのが小澤と若杉を始めとした当時俊英の音楽家達であり、以来、武満との強固な信頼関係が築かれた記念碑的な演奏会でもありました。演奏会の反響は大きく、当時の日本の楽壇に及ぼした功績は計り知れないでしょう。この時収録したビクターの音は当時の熱気溢れる雰囲気を存分に残しており、SACDでは尚更雰囲気が伝わってくる優秀録音です。2006年にタワー企画盤CDで復刻を行った際も音質含め話題になりました(「黒人霊歌集他」も2008年に同企画でCD再発)。今回のリリースはその時以来となりますが、ビクターに保管されていたオリジナルのアナログ・マスターテープの状態は非常に良好でしたので、従来のCD以上の音質は注目です。また今回もSACD化の過程に拘り、極力ロスが少ない工程でマスターテープを忠実に再現するべく最良の方法を選択し、SACDで聴くための復刻を重視しました。解説書はLP初出時のものを、一部を除いて可能な限り再掲し、各新規序文解説も掲載しました。パッケージならではの永久保存盤としてお楽しみください。

<今回の音源の工程に関して>
●SACD層:新規でオリジナル・アナログ・マスターテープから、ダイレクトにDSD化(2.8MHz)
●CD層:同様にDSDでデジタル化後、出来るだけ工程ロスを減らしたピュアな方法で44.1kHzに変換してマスターを作成
●上記一連の工程は、ビクタースタジオの山崎和重氏ルームで2024年に実施

*尚、下記商品の仕様、発売日等は予告なく変更する場合がございます。

小澤征爾

オーケストラル・スペース1966&1968(2024年マスタリング)(SACDハイブリッド)
小澤征爾、若杉弘、読売日本交響楽団、高橋悠治、一柳慧、秋山和慶、日本フィルハーモニー交響楽団、他

[NCS88031/2 (2SACDハイブリッド) 5,830円(税込)]


【収録曲】
<DISC1>
「オーケストラル・スペース 1966 Volume I」
1. 武満 徹:ピアノと管弦楽のための「弧」 第1部 (1963-66)
2. 高橋 悠治:ピアノのための「クロマモルフ Ⅱ」(1964)
3. 一柳 慧:オーケストラと多種の変調器、 磁気テープのための「ライフ・ミュージック」(1964-66)
4. 湯浅 譲二:2つのフルートのための「相即相入」 (1963)
「オーケストラル・スペース 1966 Volume Ⅱ」
5. リゲティ:アトモスフェール (1961)
6. クセナキス:ストラテジー (1962)
<DISC2>
7 ケージ:18回目の春を迎えたすばらしい寡婦 (1942)
8 レイノルズ:アンバージュ (1964)
9. 安達 元彦:合奏協奏曲 (1965) (時間の都合で第3楽章は割愛)
「オーケストラル・スペース 1968」
10. 武満 徹:クロストーク (2つのバンドネオンとテープ音楽のための) (1968)
11. 高橋 悠治:6つの要素 (4つのヴァイオリンのための) (1965)
12. ライヒ:ピアノ・フェーズ (2台のピアノのための) (1967)
13. ケージ:プリペアードピアノと室内オーケストラのためのコンチェルト (1951)
【演奏者】
小澤 征爾[指揮]/読売日本交響楽団(1,5)、高橋 悠治[ピアノ](2)、小澤 征爾[指揮]/若杉 弘[指揮]/読売日本交響楽団(3,6)、
吉田 雅夫[フルート]/野口 龍*[フルート](4)、増田 睦美[ソプラノ]/若杉 弘[ピアノ](7)、野口 龍*[フルート](8)、
若杉 弘[指揮]/読売日本交響楽団(9)、池田 光夫、前田 照光[バンドネオン](10)、
植木 三郎、板橋 健、真峰 紀一郎、渡辺 恭孝 [ヴァイオリン](11)、一柳 慧、土屋幸雄 [ピアノ](12)、
一柳 慧[ピアノ]/秋山 和慶[指揮]/日本フィルハーモニー交響楽団(13) *編注=当時の表記は「竜」
【録音】
1966年5月1, 2, 4日 日生劇場(ライヴ)(1-9)、 1968年6月5日 日経ホール(ライヴ)(10-12)、 1968年6月7日 日比谷公会堂(ライヴ)(13)
【マスタリング・エンジニア】
山崎 和重(FLAIR Mastering Works)
【原盤】
ビクターエンタテインメント

武満徹と一柳慧の企画・構成による音楽祭「オーケストラル・スペース1966&1968」のLPレコード3枚分のライヴ録音を2枚に集成!若き作曲家達の実験的作品を小澤征爾や若杉弘が読売日響を指揮し生まれ出たサウンド他を、オリジナル・アナログ・マスターテープに遡り初SACD化!新規序文解説付。原音を追求したマスタリングを実施

 この2枚組には、作曲家の武満徹と一柳慧が企画・構成し1966年5月のゴールデンウィークに開催された現代音楽の音楽祭「オーケストラル・スペース1966」のLPレコード2枚分のライヴ録音と、1968年6月に開催された「オーケストラル・スペース1968」第2回現代音楽祭のLPレコード1枚分のライヴ録音が収録されています。尚、今回の初SACD化復刻は、2006年にタワー企画盤(Tower Records Victor Heritage Collection)としての初CD化以降、久しぶりの発売となります。
 小澤征爾(1935~2024)と武満徹(1930~96)が初めて出会ったのは1961年8月のこと。小澤征爾が1959年9月にブザンソン国際指揮者コンクールに優勝、1961年4月にバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの来日公演に副指揮者として2年2ヶ月ぶりに凱旋帰国し、そのまま5ヶ月ほど日本に滞在した時期にあたっていました。その時のことを武満徹は次のように回想しています。
 「『環』という私の作品で初演のタクトは小澤がとったのだが、そのころ、小澤征爾は私にとっては無名の指揮者だった」「私は不安なおもいで最初のリハーサルに立ち会った」「私の作品は小編成ではあるが、単純なものではなかった。私は、小澤が私の作品を暗譜しているなどということを想像してもいなかった。私は私の音楽をあれほど楽しげに演奏した指揮者を知らない」(『音、沈黙と測りあえるほどに』武満徹著、新潮社、1971年)。
 以来、武満徹は小澤征爾を信頼し、小澤征爾も武満作品を積極的に手掛けるようになりました。1962年9月のNHK交響楽団定期公演、及び10月の東南アジア演奏旅行、1963年7月、ラヴィニア音楽祭でのシカゴ交響楽団デビュー、同年11月、日生劇場でのベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団初指揮、1964年1月のトロント交響楽団デビュー、こうした重要な機会の全てで小澤征爾は武満徹の「弦楽のためのレクイエム」を取り上げています。
 1966年5月の「オーケストラル・スペース1966」の舞台が日生劇場となったのは、音楽祭企画者の武満徹と日生劇場音楽プロデューサー小澤征爾の盟友関係が理由と思われます。当DISCに収められた武満徹のピアノと管弦楽のための「弧」第1部の第2楽章ソリチュードは、この時が世界初演にあたっていました。ここでピアノを務める高橋悠治(1938~)も小澤征爾とは桐朋学園時代から旧知の仲で、「日本も外国もひっくるめて、悠治ほどすぐれた才能をもっているやつも少ない。彼の能力はフランスのピエール・ブーレーズ級だと思う」と評しています(『棒ふり一人旅』週刊朝日1967年11~12月掲載)。
「オーケストラル・スペース1966」の共演指揮者が同い年の盟友でありライバルでもあった若杉弘であり、カップリングの「オーケストラル・スペース1968」(第2回音楽祭)での指揮者が同門の後輩にあたる秋山和慶であるのも、実力とともに信頼関係を重視した、いかにも小澤征爾らしい人選となっています(「オーケストラル・スペース1968」に小澤征爾の音源は含まれていませんが、実際には高橋悠治、秋山邦晴、湯浅讓二とともに「協力」として深く携わっていました)。
 若き作曲家達の実験的作品の数々を小澤征爾や若杉弘をはじめとした音楽家達が集い、前衛音楽を紹介したことは日本の現代音楽史を飾る一大イベントであったことは確かでしょう。当時の雰囲気を存分に伝える優秀録音をビクター所蔵のオリジナル・アマログマスターテープから最新で復刻を行いました。いずれも貴重な音源です。今回の復刻では、ビクターが温度管理も含め厳重に保管していたオリジナルの2chのアナログ・マスターテープを用い、録音当時も使用していたスチューダーのA-80で再生した音源をSACD層用にはDSDでダイレクトに、CD層用には同じくDSD化された音源を基に出来るだけ工程ロスを減らしたピュアな方法で44.1kMzに変換しています。製品化にあたってはスタジオでマスターテープと比較の上、DSD2.8MHz、DSD5.6MHz、DSD11.2MHz、PCMは44.1kHzから192や384等、可能な限りのレートで試聴を行った上で、DSD2.8MHzのダイレクトを採用しました。これは、SACDのフォーマットが2.8MHzのため工程で一番ロスが少ないこと(他のレートでは最終的に2.8MHzに変換するため工程が多くなる)で、楽器の質感や音色が一番アナログ・マスターテープに近かったことによります。もちろん、音楽性を重視した最小限のマスタリングに留めています。そのため、本来のアナログ・マスターテープに極めて近似した音を再現できました。尚、CD層はDSD化音源を使用し調整しています(今回、全工程は広義な意味も含め「マスタリング」という言葉を使用しています)。当時のビクターによる録音技術の粋を集めた素晴らしい音源が、今回の復刻ではまさに蔵出し的な意味合いも十分感じられる出来に仕上がっていますので、現在の技術を用いたこの素晴らしい録音を最大限お楽しみいただけます。
尚、解説書には貴重なLP初出時の各解説と、新規で序文解説を掲載しました。また、ジャケットには「オーケストラル・スペース 1966 Volume I」を採用し、他2作は解説書他にモノクロ他で収納しました。また、初出時の貴重な解説も再掲載してあります。

※ タワーレコード限定販売。限定盤
※ SACDハイブリッド盤
※ 世界初SACD化
※ スリムケース仕様
※ 2024年最新マスタリング音源使用(マスタリング・エンジニア:山崎 和重氏)
※ 盤印刷面:緑色仕様
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用(他ジャケットを解説書他に一部掲載)
※ オリジナルマスターから起因するノイズ等がございますが、ご了承ください。
※ 解説書:板倉 重雄(新規序文解説)、秋山 邦晴氏による初出時解説を再録、解説書合計41ページ

小澤征爾
『オーケストラル・スペース1966 1966 Volume Ⅱ』『同 1968』のアートワーク

小澤征爾

黒人霊歌集/ミュージカル・ハイライト(2024年マスタリング) (SACDハイブリッド)
小澤征爾、東京混声合唱団、原信夫とシャープ&フラッツ

[NCS88033 (1SACDハイブリッド) 2,970円(税込)]


【収録曲】
「黒人霊歌集  Negro Spirituals」
1. だれも知らない私の悩み
2. 海を渡れ
3. ドライ・ボーンズ
4. ゆれるよ幌馬車
5. 少年ダビデよ竪琴ならせ
6. 主はダニエルを救い給う
7. イエスのもとにのがれよう
8. 人皆祈りぬ
9. 時には母のない子のように
10. ゆけ、モーゼ

「ミュージカル・ハイライト  Musical Highlight」
11. おお美しき朝~「オクラホマ !」より
12. サマータイム~「ポーギーとベス」より
13. セプテンバー・ソング~「ニッカボッカ・ホリデイ」より
14. 君はわがすべて~「ベリー・ウォーム・フォー・メイ」より
15. バリ・ハイ~「南太平洋」より
16. トゥナイト~「ウエスト・サイド物語」より
17. 人生はひとりじゃない~「回転木馬」より
【演奏者】
東京混声合唱団
ビクター・アンサンブル(1-10)、 原信夫とシャープ&フラッツ(11-17)
小澤 征爾[指揮]
【録音】
1961年9月8日 ビクター第1スタジオ (1-10)、 1961年文京公会堂ライヴ録音 (11-17)
【マスタリング・エンジニア】
山崎 和重(FLAIR Mastering Works)
【原盤】
ビクターエンタテインメント

小澤征爾の指揮活動の原点!若き精鋭として活躍の一途をたどる最中の小澤征爾指揮による超稀少な合唱作品2種を、ビクター所蔵のオリジナル・アナログ・マスターテープから最新復刻!世界初SACD化!「ミュージカル・ハイライト」は初出盤掲載の"永 六輔"氏による解説をCD化以降では初掲載!新規序文解説付。原音を追求したマスタリングを実施

若き日の小澤征爾が1961年にビクターへ録音した2枚の10インチ(25センチ)ステレオLPレコードの音源を、ビクターが保管していた貴重なオリジナル・アナログマスターからDSD化し、1枚のSACDハイブリッド盤に収めています。小澤征爾と東京混声合唱団のLPレコードは、黒人霊歌集が『東混「黒人霊歌」』(品番:SLV524)のタイトルで1961年12月に発売され、『ミュージカル・ハイライト』(品番;SLV526)は1962年4月に発売されました。この2枚は小澤征爾にとって記念すべき初の商業録音でした。今回の初SACD化復刻は、2008年にタワー企画盤(Tower Records Victor Heritage Collection)としての初CD化以降、久しぶりの発売となります。
 小澤征爾がフランス留学に旅立ったのは23歳、1959年2月のこと。同年9月ブザンソン国際指揮者コンクールに優勝。1961年2月にニューヨーク・フィル副指揮者に就任し、同年4月にバーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルの日本公演に同行して2年2ヶ月ぶりに凱旋帰国、9月までの日本滞在中にこの2枚のLPレコードを録音しました。
 LPデビューが合唱作品になったのは、当時のレコード界が日本人指揮者のクラシック録音に消極的だったことも背景にありますが、『ミュージカル・ハイライト』がライヴ録音であるように東京混声合唱団と共演の機会があり、同合唱団と関係が深かったビクターが録音を企画したものと思われます。
文学の世界では「デビュー作品に全てがある」とよく言われますが、この2枚にも小澤征爾の音楽人生が色濃く反映されています。
 まず、合唱が小澤征爾の指揮活動の原点であったこと。彼は中学3年のときに学内の仲間で合唱団「讃美歌グループ」を作り、初めて指揮をしました。また、男声合唱団「コーロ・カステロ」に顔を出して黒人霊歌やロシア民謡を歌い、「自分で声を出しながら、指揮により音楽が変わることを経験して衝撃を受けた」(「おわらない音楽」小澤征爾著、日本経済新聞出版社)と述懐しています。最初の1枚が『東混「黒人霊歌」』となったのは単なる偶然ではありませんでした。
 また、『ミュージカル・ハイライト』が『ウエスト・サイド物語』の作曲者バーンスタインと小澤征爾の結びつきから生まれたことも、実は深い意味があります。小澤征爾と『ウエスト・サイド物語』の結びつきは想像以上に深く、彼は『ウエスト・サイド物語』映画化の際にニューヨーク・フィル副指揮者として手助けしていました。1962年8月、同映画に出演しアカデミー賞助演男優賞を獲得したジョージ・チャキリスが初来日した際、小澤征爾のリハーサルに旧知のチャキリスが訪れ、約2時間も熱心に見学した逸話(読売新聞同年9月5日記事)、そして1964年5月に日本フィルと『ウエスト・サイド物語』組曲を演奏した際に「ニューヨークから直送のオリジナル・スコアによる演奏」を謳い文句としたこと(毎日新聞同年5月2日記事)も、その関係の深さを物語っています。
 『ミュージカル・ハイライト』の共演がジャズ界のレジェンド、原信夫とシャープ&フラッツというのも意外かも知れませんが、彼らはクラシックの演奏会にもしばしば登場。1959年10月にシュヒター指揮NHK交響楽団と共演し、リーバーマンの「ジャズバンドとオーケストラのための協奏曲」を日本初演したほか、前記した日本フィルとの『ウエスト・サイド物語』組曲でも再び小澤征爾と共演しています。
 同様に東京混声合唱団との関係も、録音後も続いていきます。1962年9月7日には第28回定期演奏会に出演してオルフ『カトゥーリ・カルミナ』を中心としたプログラムを指揮。また日本フィル(分裂前)や新日本フィルとベートーヴェンの第九演奏会や定期演奏会などで共演を重ねていきました。
 こうした、出会いを通じて音楽仲間を増やしてゆくことは、いかにも小澤征爾らしいところで、ここにはその最初の幸福な出会いが刻み込まれています。この1枚は、小澤征爾の指揮活動の原点を伝えるとともに、出会いを通じて仲間を増やし、サイトウ・キネンやセイジ・オザワ松本フェスティバルと繋がってゆく、その後の音楽活動を予感させるものとなっています。
 今回の復刻では、ビクターが温度管理も含め厳重に保管していたオリジナルの2chのアナログ・マスターテープを用い、録音当時も使用していたスチューダーのA-80で再生した音源をSACD層用にはDSDでダイレクトに、CD層用には同じくDSD化された音源を基に出来るだけ工程ロスを減らしたピュアな方法で44.1kMzに変換しています。製品化にあたってはスタジオでマスターテープと比較の上、DSD2.8MHz、DSD5.6MHz、DSD11.2MHz、PCMは44.1kHzから192や384等、可能な限りのレートで試聴を行った上で、DSD2.8MHzのダイレクトを採用しました。これは、SACDのフォーマットが2.8MHzのため工程で一番ロスが少ないこと(他のレートでは最終的に2.8MHzに変換するため工程が多くなる)で、楽器の質感や音色が一番アナログ・マスターテープに近かったことによります。もちろん、音楽性を重視した最小限のマスタリングに留めています。そのため、本来のアナログ・マスターテープに極めて近似した音を再現できました。CD層はDSD化音源を使用し調整しています(今回、全工程は広義な意味も含め「マスタリング」という言葉を使用しています)。尚、今回の録音は企画の性格上、クラシック系のアコースティックな録音ではなくPOPS寄りの音調になっていますが、最終的な元マスターテープを尊重した上でマスタリングを行っています。そのため音量的な面や音質面で通常のクラシックでのバランスと異なる点があることをご了承ください。
 尚、解説書には貴重なLP初出時の各解説と、新規で序文解説を掲載しました。また、ジャケットはこれら2作が抜粋して収録された1966年発売の7インチレコードの、小澤氏が指揮をしている貴重な写真が掲載されたデザインを元に編集したものを今回採用しています。尚、「ミュージカル・ハイライト」の初出ジャケット・デザインは、解説書の裏にカラーで掲載されています。さらに、永 六輔氏による初出時の貴重な解説を今回CD再発以降では初めて収録しました。

※ タワーレコード限定販売。限定盤。歌詞(英文)付
※ SACDハイブリッド盤
※ 世界初SACD化
※ ジュエルケース仕様
※ 2024年最新マスタリング音源使用(マスタリング・エンジニア:山崎 和重氏)
※ 盤印刷面:緑色仕様
※ オリジナルマスターから起因するノイズ等がございますが、ご了承ください。
※ 解説書:板倉 重雄(新規序文解説)、木村 重雄氏、永 六輔氏による初出時解説を再録、解説書合計21ページ

小澤征爾
『ミュージカル・ハイライト』初出LPのアートワークと、1961年来日時の写真