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ダニエル・バレンボイム オットー・クレンペラー ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集、合唱幻想曲(2023年リマスター) SACDハイブリッド3枚組 2025年2月7日発売

バレンボイム

バレンボイムとクレンペラーにより詩的かつ壮大な世界を構築した名演が、最新リマスターとDSDマスタリングによりSACDでリリース

輸入盤SACDハイブリッド 3枚組


日本語解説書・帯付き
日本語解説書には、音楽研究・評論家リチャード・オズボーン氏による演奏解説の日本語訳と、西村裕氏によるこのSACDの音質などの書下ろし解説を掲載

現在は指揮者としての活動が中心になっているダニエル・バレンボイムは、早くから才能を示したピアニストで、さまざまな巨匠たちから気に入られて共演、録音も多く残していました。クレンペラーともベートーヴェンのピアノ協奏曲全集と合唱幻想曲などの録音をおこなっています。
演奏はどれも遅めのテンポで壮大な世界を構築したユニークなもので、あたかも眼前に築き上げられていく巨大な構造物を仰ぎ見るかのような思いにさせられる仕上がりとなっています。まるで交響曲のようでもありますが、ここまで音楽が豊かだとそうした暴挙も許されるというもの。力強い第5番や第1番はもちろんのこと、クレンペラーの面白さは、第3番第2楽章や第4番第2楽章などという穏やかで詩情豊かな部分にも端的に示されています。特に第3番第2楽章の繊細で暖かい美しさは印象深く、バレンボイムのみずみずしく叙情的なソロも含めて素晴らしく感動的な仕上がりです。
第9の小型版ともいわれる『合唱幻想曲』も、ここでは無類の巨大なスケールを誇り、コーダに至ってはどこまでも続く高揚感に圧倒されるほかありません。しかもその前の各ブロックで聴かれるディテール表現の雄弁さ、編成の違いゆえの情報量の変化の面白さもクレンペラーならではの魅力にあふれており、作品の隅々まで徹底的に表現するその姿勢はさすがというほかありません。
今回のSACDハイブリッド盤での発売にあたって、2023年リリースされたクレンペラー全集のための、オリジナル・マスターテープよりArt & Son Studioによって24bit/192kHzリマスター音源を使用し、SACD層のためにSACDや空間オーディオのマスタリングとして有名なパリにあるCircé Studio にてDSDマスタリングを施したものです。Multipackプラケース仕様。

82歳のクレンペラーと27歳のバレンボイムががっぷり四つに組んだ名演。交響曲とも見まごうほどに重く充実した音楽を作る指揮者と、硬質ながら刺激的でない音でしなやかなフレーズを描くピアニストの丁々発止がすさまじい緊張感を聴かせる演奏だが、今回のリマスターによってその特徴がさらに顕著に現れた。バレンボイムの老巨匠に対して一歩も引かない強靱さ(《皇帝》では方向性に齟齬があるほど)が聴き取れるのは、多くの情報を引き出したリマスターの力だろう。[音楽評論:西村 祐]
(ワーナーミュージック)

【収録曲】
ベートーヴェン:
ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19
ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37
ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58
ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73「皇帝」
合唱幻想曲 ハ短調 Op.80

【演奏】
ダニエル・バレンボイム(ピアノ),
オットー・クレンペラー(指揮)
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団,
ジョン・オールディス合唱団(Op.80)

【録音】
3-4.XI.1967 (Conc. No. 2 & Fantasia), 4-5 & 9.X.1967 (Conc. No. 5),
9-10.X.1967 (Conc. No. 4), 10-11 & 14.X.1967 (Conc. No. 3),
11, 14 & 28.X and 4.XI.1967 (Conc. No. 1),
ロンドン、アビイロード第1スタジオ